骨粗鬆症
概要
骨粗鬆症は骨量の減少と骨組織の微細構造の劣化により、骨の脆弱性が増し骨折リスクが高まる疾患である。高齢女性や閉経後女性に多くみられ、加齢やホルモン変化、生活習慣が発症に関与する。骨折によるQOL低下や寝たきりの原因となるため、早期発見と予防が重要である。
要点
- 骨量減少と骨質劣化が主病態
- 高齢者や閉経後女性に多い
- 骨折予防が治療の中心
病態・原因
骨吸収の亢進や骨形成の低下により骨密度が減少し、骨梁構造が脆弱化する。加齢、閉経によるエストロゲン低下、栄養障害、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ステロイド薬長期使用などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
初期は無症状だが、進行すると脆弱性骨折(特に椎体・大腿骨近位部・橈骨遠位端)が生じる。身長低下や円背、慢性腰背部痛がみられることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 骨密度測定 | 骨密度低下(Tスコア≦-2.5) | DXA法が標準 |
| 血液・尿検査 | 骨代謝マーカー異常 | ALP, TRACP-5b, 尿中NTXなど |
| X線検査 | 椎体圧迫骨折・骨梁構造の変化 | 骨折の有無や骨質の評価 |
骨密度測定(DXA法)でTスコア-2.5以下が診断基準となる。脆弱性骨折の既往や画像所見も診断に重要。骨代謝マーカーは活動性や治療効果判定に用いる。
治療
- 第一選択:ビスホスホネート製剤、デノスマブなどの抗骨吸収薬
- 補助療法:カルシウム・ビタミンD補充、運動・栄養指導、転倒予防
- 注意点:長期投与時の顎骨壊死や非定型骨折リスクに留意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 骨軟化症 | 骨質低下・低カルシウム血症 | 血中Ca/P/VitD低値 |
| 骨形成不全症 | 小児発症・青色強膜・骨折多発 | 遺伝歴・コラーゲン異常 |
| 骨Paget病 | 局所的骨肥厚・変形 | ALP高値・X線で骨肥厚像 |
補足事項
骨粗鬆症は生活習慣病の側面も強く、一次予防が重要である。骨折発生時はQOL低下・寝たきりのリスクが高まるため、早期介入・多職種連携が推奨される。