体重減少性無月経
概要
体重減少性無月経は、著明な体重減少や低栄養状態により視床下部―下垂体―卵巣系の機能が抑制されることで発症する続発性無月経である。思春期女性や摂食障害患者に多く、エストロゲン低下による骨粗鬆症リスクも高い。
要点
- 極端な体重減少や低栄養が主因
- 視床下部性無月経の代表疾患
- 骨量減少・不妊などの合併症に注意
病態・原因
体重減少性無月経は、急激または慢性的な体重減少やエネルギー不足により、視床下部のGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)分泌が低下し、下垂体からのLH・FSH分泌が抑制されることで発症する。摂食障害(特に神経性食思不振症)や過度な運動、ストレスが主なリスク因子となる。
主症状・身体所見
無月経が主症状であり、月経停止が3か月以上続く。体重減少(BMI18未満)、皮下脂肪の減少、徐脈、低体温、皮膚乾燥などの低栄養所見を伴うことが多い。骨粗鬆症や易骨折性も合併しやすい。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ホルモン検査 | LH・FSH低値、エストロゲン低値 | 甲状腺・プロラクチンも確認 |
| 骨密度測定 | 骨密度低下 | DXA法で評価 |
| 血液生化学 | 低栄養、貧血、電解質異常 | アルブミン・鉄・亜鉛など |
無月経の持続、著明な体重減少、ホルモン低値を確認し、他の器質的疾患(下垂体疾患・卵巣疾患など)を除外する。画像検査(頭部MRI)は必要に応じて行う。
治療
- 第一選択:体重回復と栄養改善
- 補助療法:心理療法・家族療法、必要に応じてホルモン補充療法
- 注意点:骨粗鬆症予防、急激な体重増加による再発防止
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 視床下部性無月経 | ストレス・運動・体重減少歴 | ホルモン低値、他の内分泌異常なし |
| 下垂体性無月経 | 産褥期や頭部外傷の既往 | MRIで下垂体異常 |
| 卵巣性無月経 | 高FSH・高LH、卵巣機能不全 | ホルモンプロファイルで鑑別 |
補足事項
無月経が6か月以上続く場合は、骨量減少や不妊のリスクが高まるため早期の介入が必要となる。思春期発症では成長障害や二次性徴遅延にも注意する。