骨髄炎
概要
骨髄炎は骨髄および骨組織に細菌などの病原体が感染し、炎症をきたす疾患である。急性型と慢性型があり、小児から高齢者まで発症する。外傷や血行性感染、術後感染などが主な原因となる。
要点
- 骨髄への細菌感染が主な原因
- 急性と慢性で臨床像や治療が異なる
- 早期診断・治療が不可欠
病態・原因
骨髄炎は主に黄色ブドウ球菌などの細菌が血行性、外傷、術後などを契機に骨髄へ侵入し発症する。糖尿病や免疫不全、外傷既往はリスク因子となる。慢性化すると骨壊死や瘻孔形成を伴うことがある。
主症状・身体所見
発熱、局所の発赤・腫脹・疼痛が典型的で、患部の可動域制限や圧痛もみられる。慢性例では腫脹や瘻孔からの排膿が持続することがある。小児では全身症状が強く出現する傾向がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 白血球増多、CRP高値 | 感染・炎症の指標 |
| 画像検査(X線、MRI) | 骨破壊像、骨髄浮腫 | MRIは早期診断に有用 |
| 骨生検・培養 | 病原菌同定 | 抗菌薬選択の根拠 |
MRIは骨髄炎の早期診断に最も感度が高く、骨生検による細菌同定が確定診断となる。X線では発症後1-2週間で骨破壊像が出現する。
治療
- 第一選択:感受性に応じた抗菌薬投与(静脈投与が基本)
- 補助療法:患部の安静、固定、疼痛管理、栄養管理
- 注意点:慢性化や再発例では外科的デブリードマンや瘻孔切除も考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 化膿性関節炎 | 関節腫脹・可動痛が主体 | 関節穿刺で膿性関節液 |
| 骨腫瘍 | 腫瘍性腫脹、進行性疼痛 | 画像で腫瘍性陰影、腫瘍マーカー |
| 骨粗鬆症 | 無症候性が多い、骨折で発症 | 骨密度低下、炎症所見なし |
補足事項
小児では長管骨に多く、成人では脊椎や糖尿病患者の足部に好発する。慢性化例では抗菌薬耐性や再発リスクが高く、長期管理が必要となる。