くる病
概要
くる病は、骨の石灰化障害により骨形成が不十分となる小児の疾患で、主にビタミンDの欠乏や代謝異常が原因となる。成長期の子どもに特有で、骨の変形や成長障害を引き起こす。適切な治療により予後は良好だが、重症例では骨変形が残ることがある。
要点
- ビタミンD欠乏や代謝異常が主な原因
- 骨変形や成長障害が主症状
- 早期診断・治療で予後は良好
病態・原因
くる病はビタミンDの欠乏、カルシウムやリンの代謝異常、またはビタミンD作用の障害により骨の石灰化が障害されることで発症する。リスク因子には母乳栄養のみ、日光不足、消化管吸収障害、腎疾患、遺伝的要因などが含まれる。
主症状・身体所見
成長期の小児において四肢の骨変形(O脚・X脚)、肋骨念珠、頭蓋の軟化(頭蓋ろう)、前額部突出、低身長、筋力低下、歩行遅延などがみられる。重症例では骨痛や易骨折性も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清カルシウム・リン | 低値 | ビタミンD欠乏型では低カルシウム血症・低リン血症 |
| 血清ALP | 高値 | 骨代謝亢進により上昇 |
| 25(OH)ビタミンD | 低値 | 欠乏型の診断に有用 |
| X線(骨) | 骨端線拡大・骨変形 | 骨の石灰化障害を反映 |
血液・尿検査でのカルシウム、リン、ALP、ビタミンD代謝物の評価、骨X線での骨端線拡大や骨変形所見が診断の根拠となる。鑑別には骨形成不全症や骨軟化症なども考慮する。
治療
- 第一選択:ビタミンD製剤およびカルシウム補充
- 補助療法:栄養指導、日光浴、基礎疾患の治療
- 注意点:過剰投与による高カルシウム血症に注意し、骨変形が強い場合は整形外科的介入を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 骨軟化症 | 成人発症、骨痛・筋力低下 | 骨成熟後で骨端線変化なし |
| 骨形成不全症 | 易骨折性、青色強膜 | コラーゲン異常、ビタミンD正常 |
補足事項
近年、母乳栄養や屋内生活の増加によるビタミンD欠乏くる病の再増加が報告されている。早期発見・治療が重要であり、予防には適切な栄養管理と日光曝露が推奨される。