Colles骨折
概要
Colles骨折は前腕遠位端の橈骨骨折で、手関節の伸展位での転倒などにより発生する。高齢女性に多く、特徴的な手背側への転位(フォーク状変形)を呈する。骨粗鬆症が基盤疾患として関与することが多い。
要点
- 橈骨遠位端の骨折で手背側転位が特徴
- 高齢女性や骨粗鬆症患者に多発
- 合併症や機能障害の予防が重要
病態・原因
主に手関節を伸展した状態で転倒した際に、橈骨遠位端に圧縮力が加わることで発生する。骨粗鬆症や高齢者、特に閉経後女性での発生頻度が高い。手根骨の衝撃が橈骨遠位端に集中することが主な発症機序である。
主症状・身体所見
手関節部の痛み、腫脹、変形がみられ、特に手背側への突出(フォーク状変形)が特徴的である。可動域制限や握力低下も認められる場合がある。神経損傷や合併する尺骨茎状突起骨折にも注意が必要。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 単純X線 | 橈骨遠位端の骨折、手背側転位 | フォーク状変形を確認 |
| CT/MRI | 関節内骨折や合併損傷の評価 | 詳細な骨折型の把握に有用 |
X線正面・側面像で橈骨遠位端の骨折線、転位、短縮、関節内骨折の有無を評価する。CTは複雑骨折や関節内骨折の詳細把握に有用。診断は臨床所見と画像所見の総合で行う。
治療
- 第一選択:徒手整復+ギプス固定(転位が軽度の場合)、または観血的整復・内固定術
- 補助療法:リハビリテーション、鎮痛、骨粗鬆症治療
- 注意点:再転位、神経損傷、褥瘡、関節可動域制限の予防
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Smith骨折 | 掌側転位を呈する骨折 | X線で掌側への転位 |
| 上腕骨顆上骨折 | 小児に多く肘部に発生 | X線で発生部位が異なる |
補足事項
骨粗鬆症の評価と治療介入が再発予防や予後改善に重要となる。高齢者では反対側骨折や転倒予防指導も必要。合併症としてコンパートメント症候群や正中神経障害に注意。