更年期障害
概要
更年期障害は、主に中年女性の卵巣機能低下に伴うエストロゲン分泌減少に起因し、多彩な身体的・精神的症状を呈する症候群である。自律神経失調症状や精神症状、骨・代謝異常などを含む。個人差が大きく、日常生活に支障をきたす場合もある。
要点
- 卵巣機能低下によるエストロゲン減少が主因
- のぼせ、発汗、抑うつなど多彩な症状を呈する
- ホルモン補充療法や対症療法が治療の中心
病態・原因
閉経前後の卵巣機能低下によりエストロゲン分泌が減少し、視床下部―下垂体―卵巣系のバランスが崩れることで発症する。加齢、ストレス、生活環境なども発症に影響する。
主症状・身体所見
ほてり(ホットフラッシュ)、発汗、動悸、易疲労感、不眠、抑うつ、不安、関節痛、頭痛、めまい、骨量減少などがみられる。症状の程度や出現時期には個人差が大きい。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中ホルモン値 | エストラジオール低値、FSH・LH高値 | 閉経判定や鑑別に有用 |
| 骨密度測定 | 骨量減少や骨粗鬆症の評価 | 骨代謝異常の評価目的 |
| 一般血液検査 | 貧血や甲状腺疾患など他疾患の除外 | 基礎疾患の鑑別 |
臨床症状とホルモン動態、他疾患の除外により診断される。画像検査は骨粗鬆症評価や他疾患除外目的で行う。
治療
- 第一選択:ホルモン補充療法(HRT)
- 補助療法:漢方薬、抗うつ薬、生活指導、ビタミンD・カルシウム補充
- 注意点:乳癌・血栓症リスク、定期的なフォローアップ
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 甲状腺機能異常 | 甲状腺腫大、特有の代謝症状 | 甲状腺ホルモン異常 |
| うつ病 | 精神症状が主体、身体症状は軽度 | ホルモン値は正常 |
| 骨粗鬆症 | 骨折や骨痛が主、他症状少ない | 骨密度著減・他正常 |
補足事項
男性にも加齢に伴う更年期障害(LOH症候群)があり、同様にホルモン補充療法が検討される。近年はQOL改善のため早期診断・介入が重視されている。