うつ病
概要
うつ病は抑うつ気分や興味・喜びの喪失を主症状とし、意欲低下や思考障害、身体症状を伴う気分障害のひとつ。日常生活や社会機能に著しい支障をきたす。多因子的な発症機序が想定され、再発や慢性化のリスクも高い。
要点
- 抑うつ気分・意欲低下が持続し社会生活に支障をきたす
- 精神症状とともに身体症状(睡眠障害、食欲低下など)も多い
- 生物学的要因・心理社会的要因が複雑に関与する
病態・原因
うつ病の発症には遺伝的素因、神経伝達物質の異常、ストレスや環境要因などが複雑に関与する。セロトニンやノルアドレナリン系の機能低下が主な生物学的仮説とされる。心理社会的ストレスや性格傾向もリスク因子となる。
主症状・身体所見
主な症状は抑うつ気分、興味・喜びの喪失、意欲や集中力の低下。自責感や希死念慮が現れることも多い。睡眠障害、食欲低下、全身倦怠感、頭重感などの身体症状も頻繁にみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 精神科面接 | 抑うつ気分、興味喪失、希死念慮など | DSM-5など診断基準に基づく |
| 抑うつ評価尺度 | 高スコア(例:HAM-D、BDI) | 客観的評価・重症度判断に用いる |
うつ病の診断はDSM-5などの診断基準に基づき、2週間以上の抑うつ気分または興味喪失が必須。器質性疾患や薬剤性、他の精神疾患との鑑別も重要。画像検査や血液検査は除外診断や身体合併症評価に用いる。
治療
- 第一選択:選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や他の抗うつ薬
- 補助療法:精神療法(認知行動療法など)、休養、社会的支援
- 注意点:自殺リスク評価と安全確保、再発予防のための維持療法
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 双極性障害 | 躁状態エピソードの有無 | 躁転歴の有無、家族歴 |
| 適応障害 | 明確なストレス因子と症状の一過性 | ストレス消失で症状改善 |
| 統合失調症 | 妄想・幻覚の有無 | 陽性症状、思考障害 |
補足事項
うつ病は再発率が高く、慢性化や自殺リスクにも注意が必要。治療反応には個人差があり、薬剤選択や精神療法の併用が推奨される。身体疾患や薬剤による二次性うつ状態の除外も重要。