双極性障害

概要

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す気分障害の一種であり、感情の極端な変動が特徴である。躁状態では気分の高揚や活動性の亢進、うつ状態では抑うつ気分や意欲低下がみられる。発症年齢は若年〜中年が多く、再発傾向が強い。

要点

  • 躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す
  • 社会生活・対人関係に大きな影響を及ぼす
  • 適切な薬物療法と精神療法が治療の中心

病態・原因

遺伝的素因や神経伝達物質(ドパミン・セロトニン・ノルアドレナリンなど)の機能異常が関与すると考えられている。ストレスや生活リズムの乱れが発症・再発の引き金となることが多い。

主症状・身体所見

躁状態では気分の高揚、多弁、観念奔逸、活動性亢進、睡眠欲求低下などがみられる。うつ状態では抑うつ気分、意欲低下、思考制止、不眠や過眠、自殺念慮が出現する。病相間は正常な気分で経過することもある。

検査・診断

検査所見補足
精神科面接躁・うつエピソードの確認DSM-5等の診断基準を用いる
気分評価尺度YMRS・HAMDなどのスコア重症度や経過の把握に有用

診断は主に臨床症状と経過から行い、DSM-5やICD-10の診断基準が用いられる。画像検査や血液検査は除外診断や身体合併症の評価に利用されるが、特異的な所見はない。

治療

  • 第一選択:気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)
  • 補助療法:抗精神病薬、心理社会的介入、生活リズムの調整
  • 注意点:抗うつ薬単独投与は躁転リスクがあるため慎重に行う

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
うつ病躁状態の既往がない気分安定薬は通常不要
統合失調症幻覚・妄想が持続的思考障害や陽性症状が主体

補足事項

再発予防には規則正しい生活と服薬継続が重要であり、家族教育や社会的支援も有効である。自殺リスクが高いため、危険因子の評価と早期介入が求められる。

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