月経前症候群

概要

月経前症候群(PMS)は、月経前の黄体期に発現する精神的・身体的症状の総称であり、月経開始とともに軽快または消失する。日常生活に支障をきたす程度の症状が特徴で、20〜40代女性に多い。

要点

  • 月経前に繰り返し出現し月経開始で軽快する症状
  • 精神症状(易怒・抑うつ)と身体症状(乳房痛・浮腫)が混在
  • 症状の重症例はPMDD(月経前不快気分障害)と呼ぶ

病態・原因

黄体期におけるエストロゲン・プロゲステロンなどの性ホルモン変動が神経伝達物質や自律神経系に影響し、多彩な症状を引き起こす。ストレスや生活習慣、遺伝的素因も関与する。

主症状・身体所見

精神症状として情緒不安定、抑うつ、易怒、集中力低下などが現れる。身体症状は乳房緊満感、腹部膨満感、頭痛、浮腫、関節痛など多岐にわたる。症状は月経開始とともに消失する。

検査・診断

検査所見補足
問診・症状記録月経周期に一致した症状2周期以上の症状日誌が有用
ホルモン検査通常は異常なし他疾患除外のため実施する場合あり

診断は主に問診と症状日誌による。精神疾患や内分泌疾患など他疾患との鑑別が重要であり、必要に応じてホルモン検査や血液検査を行う。

治療

  • 第一選択:生活指導・認知行動療法・低用量経口避妊薬
  • 補助療法:カルシウム・ビタミンB6補充、漢方薬、SSRI
  • 注意点:症状日誌による経過観察と重症例の精神科連携

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
月経困難症月経開始後に症状が強い器質的疾患の有無
うつ病月経周期との関連なし精神症状が持続的

補足事項

PMDD(月経前不快気分障害)はPMSの重症型で、精神症状が顕著である。治療抵抗例にはホルモン療法や抗うつ薬が検討される。近年、ライフスタイル改善の重要性が強調されている。

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