注意欠陥多動性障害
概要
注意欠陥多動性障害(ADHD)は発達障害の一つであり、不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする。小児期に発症しやすく、成人まで症状が持続する場合も多い。社会的・学業的機能に支障をきたすことが多い。
要点
- 不注意、多動性、衝動性が三大症状
- 小児から成人まで幅広い年齢層で認める
- 社会・学業・対人関係に影響を及ぼす
病態・原因
ADHDは中枢神経系の発達異常が関与し、ドパミンやノルアドレナリン系の神経伝達異常が示唆されている。遺伝的要因が強く、環境要因も一部関与する。
主症状・身体所見
主な症状は注意の持続困難、集中力の低下、多動、衝動的な行動である。年齢によって症状の現れ方が異なり、学業不振や対人トラブルの原因となることが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 行動観察・問診 | 不注意・多動・衝動性の持続 | DSM-5診断基準を用いる |
| 知能検査・発達検査 | 認知機能や発達の偏り | 他の発達障害との鑑別に有用 |
| 教師・保護者評価尺度 | 症状の客観的評価 | 複数場面での症状確認 |
診断はDSM-5などの国際診断基準に基づき、6か月以上持続する不注意や多動・衝動性が複数の状況で認められることが必要。画像検査や血液検査は本症の診断には直接的に用いない。
治療
- 第一選択:中枢刺激薬(メチルフェニデート、アトモキセチン等)
- 補助療法:心理社会的介入、行動療法、環境調整
- 注意点:薬物治療時の副作用管理、家族・学校との連携
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 自閉症 | 社会的コミュニケーション障害が主体 | 社会性・対人関係の障害 |
| 学習障害 | 読み書きや計算の特異的困難 | 学業成績の特定領域のみ低下 |
| うつ病 | 気分の落ち込みや意欲低下が主 | 抑うつ気分・自責感 |
補足事項
成人期にも症状が持続することがあり、二次障害(不安障害、うつ病など)のリスクが高い。早期発見・多職種連携が重要とされる。