突発性難聴
概要
突発性難聴は、原因不明の急性感音難聴で、通常は片側性に発症する。突然の聴力低下が特徴であり、早期治療が予後に大きく影響する。めまいや耳鳴りを伴うことも多い。
要点
- 急性発症の片側性感音難聴
- 早期のステロイド治療が重要
- めまいや耳鳴りを伴うことが多い
病態・原因
ウイルス感染、内耳循環障害、自己免疫反応などが仮説として挙げられるが、明確な原因は特定されていない。内耳の蝸牛神経機能障害が主病態である。
主症状・身体所見
突然の片側性難聴が主症状であり、耳鳴りやめまいを伴うことがある。耳痛や外耳・中耳の異常は認めない。発症後早期の診断が重要である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 純音聴力検査 | 感音難聴型の聴力低下 | 片側性が多い |
| ティンパノグラム | 正常(鼓膜・中耳の異常はなし) | 伝音障害の除外 |
| ABR(聴性脳幹反応) | 波形の消失や遅延 | 病型や重症度評価 |
突発性難聴は「発症から3日以内に、原因不明の感音難聴が30dB以上、3つ以上の周波数で急激に出現」と定義される。画像検査(MRI)は聴神経腫瘍など他疾患の除外に用いられる。
治療
- 第一選択:ステロイド全身投与(経口または点滴)
- 補助療法:高圧酸素療法、血流改善薬、ビタミン剤
- 注意点:発症から1〜2週間以内の治療開始が予後改善に重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Meniere病 | 難聴・耳鳴り・めまい発作の反復 | 聴力変動・内リンパ水腫所見 |
| 老人性難聴 | 両側・徐々に進行 | 高音域優位の聴力低下 |
| 騒音性難聴 | 騒音曝露歴・進行性 | C5dipなど特定周波数の低下 |
補足事項
難治例や重症例では鼓室内ステロイド投与も考慮される。治療開始が遅れると聴力回復率が低下するため、早期受診と診断が重要である。