騒音性難聴

概要

騒音性難聴は、長期間または強度の高い騒音への曝露によって内耳の有毛細胞が障害され、不可逆的な感音難聴を呈する疾患。主に職業性環境で発症し、進行は緩徐である。初期には高音域の聴力低下が特徴的である。

要点

  • 慢性的な騒音曝露が主因となる感音難聴
  • 初期は高音域(4,000Hz付近)の聴力低下が特徴
  • 進行すると会話域の聴力も障害される

病態・原因

騒音曝露による内耳蝸牛の有毛細胞障害が主な病態であり、特に高周波音への長期曝露がリスク因子となる。職業性(工場、建設現場など)が多いが、音楽や娯楽施設での曝露例も増加している。

主症状・身体所見

初期には自覚症状が乏しいが、高音域の聴力低下が進行すると会話の聞き取り困難や耳鳴りを自覚する。進行例では日常会話音域にも聴力障害が及ぶ。

検査・診断

検査所見補足
純音聴力検査4,000Hz付近の聴力低下(C5 dip)進行で他の周波数も低下
語音明瞭度検査語音の聞き取り困難感音難聴の特徴
耳鏡検査異常なし伝音難聴との鑑別に有用

純音聴力検査で高音域(特に4,000Hz)の聴力低下が特徴的。耳鏡所見は正常で、騒音曝露歴が診断の決め手となる。画像検査は通常不要。

治療

  • 第一選択:曝露回避(防音保護具の使用、環境改善)
  • 補助療法:補聴器装用、リハビリテーション
  • 注意点:早期発見と曝露継続防止が不可逆的進行予防に重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
老人性難聴加齢による進行、両側性より広範な周波数で低下
突発性難聴急性発症、片側性が多い突然の全周波数障害
耳毒性薬物難聴薬剤服用歴、進行性進行例で高音域から全域へ

補足事項

騒音性難聴は不可逆的であるため、予防が最重要となる。法的には労働安全衛生法などで管理基準が定められている。若年層の音楽プレイヤー利用による発症例もあり、社会的啓発も課題である。

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