良性発作性頭位眩暈症
概要
良性発作性頭位眩暈症(BPPV)は、特定の頭位変換により短時間の回転性めまい発作を繰り返す疾患である。耳石の脱落が主な原因で、難聴や耳鳴を伴わないことが特徴。日常生活に支障をきたすが、予後は良好なことが多い。
要点
- 頭位変換で誘発される短時間の回転性めまいが主症状
- 難聴や耳鳴を伴わず、神経学的異常所見もみられない
- 耳石置換法などの理学療法が有効で再発も多い
病態・原因
内耳の三半規管内に耳石(耳石器由来の炭酸カルシウム結晶)が迷入し、頭位変換時に流体力学的刺激を与えることで発症する。加齢や頭部外傷、長期臥床などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
典型的には寝返りや起き上がりなど頭の位置を変えた際に、数秒から数十秒間持続する激しい回転性めまいが生じる。難聴や耳鳴は伴わず、神経学的異常所見もみられない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| Dix-Hallpike試験 | 特定頭位で誘発される回転性眼振 | 眼振の方向・持続時間で診断補助 |
| 頭部MRI/CT | 異常なし | 他疾患除外のため施行する場合あり |
Dix-Hallpike試験で特徴的な眼振が誘発されることが診断の決め手となる。画像検査は中枢性めまいの除外目的で用いられる。
治療
- 第一選択:耳石置換法(エプレイ法などの理学療法)
- 補助療法:抗めまい薬の短期投与や生活指導
- 注意点:再発しやすいため自己管理と再発時の対応法指導
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Meniere病 | 難聴・耳鳴・耳閉感を伴う | 聴力検査で感音難聴を認める |
| 前庭神経炎 | 持続性のめまい・嘔気・歩行障害 | 頭位によらず持続性眼振 |
補足事項
再発が多いため、患者自身によるセルフケアや頭位変換体操の指導が重要となる。高齢者では転倒予防指導も併せて行う。