2型糖尿病
概要
2型糖尿病は、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性を主因とする慢性の高血糖状態で、主に生活習慣や遺伝的素因が関与する。成人発症が多く、肥満や運動不足、加齢などがリスクとなる。合併症として心血管疾患や網膜症、腎症、神経障害などが進行しやすい。
要点
- インスリン抵抗性と分泌不全が病態の中心
- 生活習慣・肥満・遺伝が主なリスク因子
- 合併症予防が治療の重要な目的
病態・原因
インスリン抵抗性と膵β細胞のインスリン分泌能低下が相互に進行し、高血糖状態となる。肥満、特に内臓脂肪型肥満や加齢、遺伝的素因、運動不足などが発症リスクを高める。慢性的な高血糖は血管障害を引き起こし、多様な合併症の原因となる。
主症状・身体所見
初期には自覚症状に乏しいことが多いが、進行すると口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感などが出現する。診断時にはすでに合併症(網膜症、腎症、神経障害など)を伴うこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 126mg/dL以上 | 2回以上で診断有力 |
| HbA1c | 6.5%以上 | 国際基準(NGSP値) |
| 75gOGTT | 2時間値200mg/dL以上 | 境界型や診断確定に有用 |
血糖値、HbA1c、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を組み合わせて診断する。糖尿病型の血糖値(空腹時126mg/dL以上、随時200mg/dL以上、OGTT2時間値200mg/dL以上)、およびHbA1c6.5%以上で診断。合併症評価のため尿検査や眼底検査も行う。
治療
- 第一選択:食事療法・運動療法、経口血糖降下薬、必要に応じてインスリン
- 補助療法:体重管理、禁煙指導、合併症スクリーニング
- 注意点:低血糖予防、継続的な自己管理指導、合併症の早期発見と治療
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 1型糖尿病 | 若年発症・急激発症・ケトーシス | 抗GAD抗体陽性・Cペプチド低値 |
| MODY | 若年発症・家族歴・肥満少ない | 遺伝子検査・インスリン分泌残存 |
補足事項
2型糖尿病は患者数が多く、社会的影響も大きい。近年はGLP-1作動薬やSGLT2阻害薬など新規薬剤も登場し、個別化治療が進む。合併症管理・予防のためには定期的な検査と生活習慣改善が必須である。