GIST

概要

GIST(消化管間質腫瘍)は、消化管の壁から発生する稀な非上皮性腫瘍で、主に胃や小腸に発生する。c-KIT(CD117)やPDGFRA遺伝子変異が特徴で、消化管腫瘍の中でも独自の治療指針を持つ。悪性度は腫瘍径や分裂像数により評価される。

要点

  • 消化管壁由来の間葉系腫瘍でc-KIT陽性が多い
  • 無症状から消化管出血、腹痛など多彩な症状を呈する
  • 分子標的薬(イマチニブ等)が治療の中心

病態・原因

GISTはカハール介在細胞の分化障害を起源とし、c-KITまたはPDGFRAの遺伝子変異による異常な細胞増殖が主因となる。発症リスクには家族歴や神経線維腫症1型などが挙げられる。

主症状・身体所見

無症状で偶然発見されることも多いが、腹痛、腹部腫瘤、消化管出血(吐血・下血)、貧血、時に腸閉塞症状を呈する。進行例では腹水や転移巣が認められることもある。

検査・診断

検査所見補足
内視鏡検査粘膜下腫瘤、表面潰瘍、易出血性生検で確定診断困難なことも
免疫染色c-KIT(CD117)陽性、DOG1陽性GISTの診断に必須
CT/MRI境界明瞭な腫瘤、壊死・出血像を伴うこと有転移・局在評価に有用

診断は内視鏡的生検やエコー下穿刺で組織を採取し、c-KIT(CD117)やDOG1の免疫染色陽性で確定する。画像検査で腫瘍の大きさや転移の有無も評価する。

治療

  • 第一選択:手術的切除(根治切除可能例)
  • 補助療法:イマチニブなど分子標的薬(再発・転移例や高リスク例)
  • 注意点:腫瘍破裂や不完全切除で再発リスク増加、術中腫瘍損傷回避

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
胃悪性リンパ腫粘膜びらん・潰瘍が主体、B症状伴う免疫染色でCD20陽性
平滑筋肉腫c-KIT陰性、筋肉由来免疫染色でSMA・Desmin陽性
消化管神経内分泌腫瘍ホルモン症状(下痢・紅潮等)ありクロモグラニンA陽性

補足事項

GISTは腫瘍径と分裂像数で悪性度が評価され、術後再発リスクに応じて分子標的薬の補助療法が推奨される。近年は遺伝子変異タイプに応じた治療選択も進む。

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