脊索腫

概要

脊索腫は脊椎や頭蓋骨底に発生する原発性悪性骨腫瘍で、脊索(脊椎発生時の原基組織)由来の腫瘍である。緩徐に進行し、局所浸潤性が強いが、遠隔転移は比較的まれである。成人に多く、頭蓋底や仙骨部に好発する。

要点

  • 脊索由来の稀な悪性骨腫瘍で、頭蓋底・仙骨部に好発
  • 緩徐進行だが局所浸潤性が強く、再発しやすい
  • 手術が主治療だが、完全切除困難例も多い

病態・原因

脊索腫は胎生期の脊索遺残細胞から発生する腫瘍である。脊椎や頭蓋骨底の中軸骨に好発し、腫瘍は骨破壊とともに周囲組織へ浸潤する。発症リスク因子は特に知られていない。

主症状・身体所見

腫瘍の局在により症状が異なり、頭蓋底では頭痛、複視、脳神経麻痺、仙骨部では腰痛、坐骨神経痛、排尿障害などがみられる。進行例では神経症状が顕著となる。

検査・診断

検査所見補足
MRIT2高信号の腫瘤、骨破壊像境界不明瞭で周囲組織浸潤を示す
CT骨破壊、石灰化を伴う腫瘤骨の変形や石灰化の評価に有用
生検・組織診断物質様胞体・胞巣状配列脊索腫特有の組織像

確定診断には画像所見に加え、組織生検による病理診断が必要。MRIは腫瘍の広がりや浸潤度評価に必須。CTは骨構造の詳細な評価に有用。

治療

  • 第一選択:腫瘍の外科的全摘出
  • 補助療法:放射線治療(特に陽子線治療や重粒子線治療)
  • 注意点:再発リスクが高く、長期フォローが必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
GIST消化管壁発生、c-kit陽性免疫染色でc-kit陽性
平滑筋肉腫筋由来、紡錘形細胞主体筋特異的マーカー陽性
転移性脊髄腫瘍原発巣の既往、複数病変全身検索で原発巣・多発病変発見

補足事項

脊索腫は局所再発が多く、長期的な経過観察が重要である。近年は陽子線や重粒子線による放射線治療の有効性が報告されている。治療困難例では集学的治療が検討される。

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