横紋筋肉腫
概要
横紋筋肉腫は横紋筋系に由来する悪性軟部腫瘍であり、特に小児に多く発生する。頭頸部、泌尿生殖器、四肢など体のさまざまな部位に発生しうる。進行が速く、早期診断と集学的治療が重要となる。
要点
- 小児に好発する悪性軟部腫瘍である
- 多様な部位に発生し、症状は発生部位に依存する
- 手術・化学療法・放射線治療の集学的治療が標準
病態・原因
横紋筋肉腫は未分化な筋芽細胞から発生し、主に小児期に発症する。遺伝的素因や特定の染色体異常(例えばPAX3-FOXO1融合遺伝子)が関与することがある。発症リスク因子は明確でないが、一部の先天異常症候群との関連が指摘されている。
主症状・身体所見
症状は腫瘍の発生部位によって異なり、頭頸部では腫瘤や鼻閉、眼球突出、泌尿生殖器では血尿や排尿障害、四肢では無痛性腫瘤として発見されることが多い。進行例では疼痛や局所浸潤症状、遠隔転移による全身症状もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 画像検査(MRI/CT) | 腫瘍の局在・大きさ・浸潤範囲 | 軟部組織腫瘍の評価に有用 |
| 生検 | 横紋筋分化を示す腫瘍細胞 | 病理組織診断が必須 |
| 免疫染色 | Desmin, MyoD1, Myogenin陽性 | 筋分化の証明 |
診断は画像所見で腫瘍の局在・浸潤範囲を評価し、生検による組織学的診断と免疫染色で筋分化を確認する。分子遺伝学的検査で特定の融合遺伝子の検出も診断・予後予測に用いられる。
治療
- 第一選択:手術による腫瘍切除と化学療法の併用
- 補助療法:放射線治療(局所制御目的)、支持療法
- 注意点:再発・転移例では治療抵抗性が高く、予後不良
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| GIST | 消化管壁発生・KIT陽性 | c-KIT免疫染色陽性 |
| 平滑筋肉腫 | 平滑筋分化・成人好発 | Desmin陽性だがMyoD1陰性 |
| 胃悪性リンパ腫 | リンパ球性腫瘍・B症状 | CD20等リンパ球マーカー陽性 |
補足事項
小児悪性腫瘍の中でも予後改善が進んだ疾患だが、転移例や再発例の治療成績は依然として不良。分子標的治療の開発も進められている。