Braun腫瘤

概要

Braun腫瘤は、消化管手術後に吻合部付近に発生する線維性の腫瘤であり、主に手術創部の慢性炎症や異物反応などによって形成される。腫瘤自体は良性であるが、しばしば腸閉塞や腹痛の原因となることがある。臨床的には手術既往をもつ患者の腹部腫瘤や症状の鑑別として重要である。

要点

  • 消化管手術後の吻合部周囲に発生する線維性腫瘤
  • 腸閉塞や腹痛などの原因となることがある
  • 良性病変であるが、画像診断や手術歴の確認が重要

病態・原因

Braun腫瘤は、主に胃や小腸の手術後に吻合部やその近傍に発生する線維性組織の増殖による腫瘤である。手術創部の慢性炎症、縫合糸や異物に対する反応、血腫や感染などが誘因となり、線維化が進行して腫瘤を形成する。

主症状・身体所見

多くは無症状だが、腫瘤が大きくなると腸閉塞症状(腹痛、嘔吐、腹部膨満)や圧痛、しこりとして触知されることがある。手術既往のある患者で腹部症状や腫瘤を認めた場合に鑑別として考慮される。

検査・診断

検査所見補足
腹部CT腸管吻合部近傍に境界明瞭な軟部腫瘤周囲炎症や癒着を伴う
超音波検査低エコーまたは混合エコー性腫瘤血流は乏しいことが多い
消化管造影腸管の狭窄や通過障害を認めることがある可逆的な変化もありうる

画像診断では、手術既往部位に一致する腫瘤性病変が特徴的である。臨床経過や手術歴の確認が診断上重要であり、悪性腫瘍との鑑別には組織診断が必要となる場合もある。

治療

  • 第一選択:症状がなければ経過観察、腸閉塞など症状があれば外科的切除
  • 補助療法:支持療法として絶食・輸液管理、腸減圧
  • 注意点:悪性腫瘍との鑑別、再発や癒着防止に留意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Schloffer腫瘤手術部位の炎症性肉芽腫、術後数年で発症組織像で炎症細胞浸潤が目立つ
GIST消化管壁発生の間葉系腫瘍、無手術歴でも発生免疫染色c-KIT陽性
癌性腹膜炎腹膜播種による多発結節・腹水腹水中に悪性細胞を検出

補足事項

Braun腫瘤は、術後瘢痕や異物反応により形成される良性腫瘤であり、臨床的には悪性腫瘍や再発腫瘍との鑑別が重要となる。手術歴の詳細な聴取と画像診断が診療のポイントとなる。

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