デスモイド

概要

デスモイドは線維芽細胞由来の良性腫瘍で、主に筋膜や腱膜、腹膜などの結合組織に発生する。局所浸潤性が強く、再発しやすいが、遠隔転移はほとんどみられない。家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)との関連も知られている。

要点

  • 線維性結合組織に発生する良性腫瘍
  • 局所浸潤性が強く再発が多い
  • FAPとの合併例がある

病態・原因

デスモイドは線維芽細胞の異常増殖によって発生し、外傷や手術、妊娠などの刺激が誘因となることがある。家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)患者に高頻度で発生し、APC遺伝子変異との関連が指摘されている。

主症状・身体所見

発生部位により症状は異なるが、腫瘤の増大に伴う疼痛や圧迫症状がみられる。腹腔内発生例では腸閉塞や腹痛、腹部膨満などを呈することがある。皮下や筋間発生例では硬い無痛性腫瘤として触知される。

検査・診断

検査所見補足
画像検査CT・MRIで境界不明瞭な腫瘤を認めるMRIでは低~等信号、浸潤性の評価に有用
病理組織検査細長い線維芽細胞の増殖、膠原線維の増加核異型は乏しく、分裂像も少ない

画像診断では浸潤範囲や周囲臓器との関係を評価する。確定診断には病理組織検査が必須であり、免疫染色や分子遺伝学的検査が補助となる場合もある。

治療

  • 第一選択:手術による完全切除
  • 補助療法:放射線療法、薬物療法(NSAIDs、抗エストロゲン薬、分子標的薬など)
  • 注意点:再発率が高く、慎重な経過観察が必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
GISTc-kit陽性、消化管壁原発免疫染色でCD117陽性
平滑筋肉腫核異型・分裂像が多い、悪性腫瘍病理で高異型性・増殖能高い

補足事項

デスモイドは良性であるが局所浸潤性・再発性が高く、治療方針は発生部位や症状、進行度により個別化される。無症状例や切除困難例では経過観察も選択肢となる。

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