直腸腟瘻

概要

直腸腟瘻は直腸と腟の間に異常な交通路(瘻孔)が形成される疾患で、消化管内容が腟に漏れることが特徴。主に分娩外傷や手術、炎症性腸疾患、腫瘍などが原因となる。慢性的な感染や生活の質低下を引き起こすことが多い。

要点

  • 直腸と腟の間に瘻孔が生じる
  • 感染や便の漏出による症状が主
  • 手術的治療が必要となることが多い

病態・原因

分娩時の会陰裂傷や産科的手術、直腸や腟の手術後、炎症性腸疾患(特にCrohn病)、悪性腫瘍の浸潤、放射線治療後などが主な原因となる。慢性炎症や組織壊死、縫合不全などにより直腸と腟の間に瘻孔が形成される。

主症状・身体所見

腟からの便やガスの排出、腟分泌物の増加、反復する腟炎や尿路感染症がみられる。慢性的な局所不快感や悪臭、場合によっては発熱や全身状態の悪化を伴うこともある。

検査・診断

検査所見補足
直腸腟内診瘻孔の存在、腟内への便の流入確認指診やプローブで瘻孔確認可能
造影検査瘻孔経路の描出バリウムや水溶性造影剤使用
MRI/CT瘻孔の位置・範囲把握複雑瘻や周囲炎症の評価に有用

瘻孔の診断は臨床症状と直腸腟内診で疑い、造影検査やMRIで瘻孔の詳細な走行や範囲を評価する。必要に応じて内視鏡や超音波検査を併用する。

治療

  • 第一選択:瘻孔切除・縫合閉鎖術、時に一時的人工肛門造設
  • 補助療法:感染対策、栄養管理、創部局所ケア
  • 注意点:再発防止のため炎症性腸疾患など基礎疾患の管理が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
痔瘻肛門周囲に瘻孔形成肛門周囲の瘻孔・排膿
腟閉鎖腟の閉塞・無月経画像で腟の閉塞確認
Crohn病消化管全域の炎症・瘻孔形成消化管全体の病変・組織像

補足事項

直腸腟瘻は再発しやすく、特に炎症性腸疾患合併例では治癒が困難なことがある。術後のQOL改善を重視し、婦人科・消化器外科の連携が必要となる。

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