処女膜閉鎖症

概要

処女膜閉鎖症は、先天的に処女膜が完全に閉鎖しているため、月経血や分泌物が体外に排出できない状態となる先天性の外陰部奇形である。新生児では無症状だが、思春期の初経時に症状が顕在化する。早期診断と外科的治療が必要となる。

要点

  • 思春期に無月経と周期性下腹部痛で発症する
  • 月経血貯留による腟・子宮の腫大が特徴
  • 早期発見と外科的切開術が根本治療

病態・原因

胎生期の発生異常により、処女膜が完全に閉鎖したままとなる先天性疾患である。家族歴は稀で、ほとんどが孤発例である。閉鎖により腟や子宮に月経血が貯留し、二次的な合併症を生じる。

主症状・身体所見

初経年齢に達しても月経がみられず、周期的な下腹部痛や腰痛が出現する。腟や子宮の拡大による下腹部腫瘤、場合によっては尿閉や便秘もみられる。外陰部診察で青紫色に膨隆した処女膜が観察される。

検査・診断

検査所見補足
骨盤超音波腟や子宮の拡大、液体貯留を認める無月経・下腹部腫瘤例で有用
MRI腟・子宮の詳細な構造、合併奇形の評価他器官奇形の鑑別にも有用

診断は無月経、周期性腹痛、外陰部所見(膨隆した処女膜)を根拠に行う。画像検査で腟や子宮内の血液貯留(血腟・血子宮)が確認される。尿路や他の生殖器奇形の合併評価も重要。

治療

  • 第一選択:処女膜切開術(切除術)
  • 補助療法:術後の感染予防、疼痛管理
  • 注意点:術後再癒着や再閉鎖の予防、合併奇形の有無確認

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
腟閉鎖腟自体の閉鎖、外陰部膨隆は乏しいMRIで腟の欠損や短縮
単角子宮月経はあるが周期性腹痛や腫瘤は稀超音波で子宮形態異常
直腸腟瘻便の排出異常や感染症を伴うこと多い造影検査で瘻孔確認

補足事項

思春期女性の無月経や周期性腹痛の鑑別として重要。診断・治療の遅れは子宮内膜症や感染症、不妊の原因となるため注意が必要。再発や合併奇形の有無もフォローアップで評価する。

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