性器クラミジア感染症
概要
性器クラミジア感染症は、Chlamydia trachomatisによって引き起こされる性感染症であり、若年層を中心に最も頻度の高い性感染症の一つである。多くは無症状だが、放置すると不妊症や骨盤内炎症性疾患など重篤な合併症を引き起こすことがある。
要点
- 若年層を中心に高頻度で発症し、多くは無症状
- 不妊症や骨盤内炎症性疾患の原因となる
- 早期診断・治療が重要
病態・原因
Chlamydia trachomatisはグラム陰性の偏性細胞内寄生性細菌で、主に性的接触により感染する。感染は尿道、子宮頸管、直腸、咽頭などの粘膜上皮に起こる。リスク因子として複数の性的パートナーやコンドーム不使用が挙げられる。
主症状・身体所見
男性では尿道炎による排尿時痛や軽度の分泌物、女性では帯下増加や下腹部痛がみられるが、男女ともに無症状例が多い。進行例では女性で骨盤内炎症性疾患、男性で精巣上体炎を来すことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 核酸増幅検査(NAAT) | Chlamydia trachomatis遺伝子検出 | 最も感度・特異度が高い |
| 尿検査/膣分泌物検査 | 白血球増多、細菌検出 | 尿道・膣擦過物の検体採取 |
診断は主にNAAT(核酸増幅検査)で確定し、尿や膣分泌物、子宮頸管擦過物などが検体となる。培養法や抗原検出法は感度が劣るため補助的に用いられる。
治療
- 第一選択:アジスロマイシン単回投与またはドキシサイクリン7日間投与
- 補助療法:パートナー治療・再感染予防指導
- 注意点:治療後3ヶ月以内の再検査推奨、妊婦にはアジスロマイシン使用
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 淋菌性尿道炎 | 分泌物が多く黄緑色、症状が強い | グラム染色で淋菌検出 |
| 非淋菌性尿道炎 | 軽度症状、クラミジア以外の原因 | クラミジア陰性、他病原体検出 |
補足事項
性感染症の中でも無症候性感染が多いため、スクリーニングが重要となる。未治療例では不妊症や母子感染のリスクがあるため、早期発見とパートナー同時治療が推奨される。