淋菌性尿道炎

概要

淋菌性尿道炎は、主に淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による尿道の細菌性感染症であり、性的接触により伝播する。男性に多く、急性の排尿時痛や膿性分泌物を特徴とする性感染症である。適切な抗菌薬治療により治癒が期待できるが、治療遅延や再感染例も少なくない。

要点

  • 淋菌感染による急性尿道炎で、強い排尿時痛と膿性分泌物が特徴
  • 性交渉歴が重要なリスク因子で、パートナー治療も必須
  • 早期診断・適切な抗菌薬投与で予後良好

病態・原因

Neisseria gonorrhoeaeが尿道粘膜に感染し、炎症を引き起こす。主なリスク因子は不特定多数との性交渉やコンドーム不使用であり、感染力が強い。女性では無症状例も多く、感染拡大の一因となる。

主症状・身体所見

男性では排尿時の激しい痛み、尿道からの膿性分泌物、頻尿や尿意切迫感が典型的である。女性では自覚症状が乏しいことが多く、軽度の排尿時不快感や帯下増加のみの場合もある。

検査・診断

検査所見補足
尿道分泌物塗抹鏡検グラム陰性双球菌の検出即時診断が可能
核酸増幅検査(NAAT)淋菌DNA陽性高感度・高特異度
尿培養淋菌の分離・同定薬剤感受性も評価可能

グラム染色でグラム陰性双球菌が確認されると診断的価値が高い。NAATは感度・特異度が最も高く、無症状例や女性にも有用である。培養は薬剤耐性評価に必須。

治療

  • 第一選択:セフトリアキソン筋注単回投与
  • 補助療法:パートナー同時治療と性感染症スクリーニング
  • 注意点:治療後も再検査を行い再感染や耐性菌に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
非淋菌性尿道炎排尿時痛や分泌物は軽度、クラミジア等NAATで淋菌陰性
性器クラミジア感染症分泌物は漿液性〜粘液性、無症状も多いNAATでクラミジア陽性

補足事項

薬剤耐性淋菌の増加が報告されており、治療失敗例では培養・感受性試験が重要となる。パートナー通知と同時治療は感染拡大防止に不可欠である。

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