性器ヘルペス
概要
性器ヘルペスは主に単純ヘルペスウイルス(HSV)1型または2型による性感染症であり、性器やその周囲に痛みを伴う水疱・潰瘍を形成する。再発を繰り返すことが多く、無症候性ウイルス排出もあるため感染拡大のリスクが高い。
要点
- 単純ヘルペスウイルス(HSV)による性感染症
- 痛みを伴う水疱・潰瘍が主症状
- 再発や無症候性排出が特徴
病態・原因
性器ヘルペスは主にHSV-2、時にHSV-1の感染によって発症する。ウイルスは皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、初感染後は神経節に潜伏、免疫低下時などに再活性化して再発する。性感染症としての伝播が主だが、無症候性でも感染力を持つ。
主症状・身体所見
性器やその周囲に小水疱が多発し、破れて浅い潰瘍となる。強い疼痛、掻痒、排尿時痛、鼠径リンパ節腫脹などを伴う。初感染時は全身症状(発熱、倦怠感)がみられることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ウイルス分離培養 | HSVの同定 | 病変部擦過物から分離 |
| PCR検査 | HSV-DNA陽性 | 感度・特異度高く、迅速診断に有用 |
| Tzanck試験 | 巨細胞・封入体の確認 | 即時診断可能だが特異性は低い |
HSV感染の診断は臨床症状と検査所見の組み合わせで行う。PCRは最も感度・特異度が高く、臨床現場で主流。水疱内容や潰瘍底からの検体採取が重要。
治療
- 第一選択:アシクロビル、バラシクロビルなどの抗ウイルス薬内服
- 補助療法:鎮痛薬、局所の清潔保持
- 注意点:再発時の早期治療、パートナーへの感染対策指導
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 性器クラミジア感染症 | 水疱・潰瘍形成はまれ | PCRでクラミジア検出 |
| 淋菌性尿道炎 | 尿道炎症状が主体、水疱なし | グラム染色・培養で淋菌検出 |
補足事項
妊婦の初感染では新生児ヘルペスのリスクが高く、帝王切開の適応となる場合がある。再発抑制療法やパートナーへの説明が重要。抗ウイルス薬耐性例は稀だが存在する。