反回神経麻痺
概要
反回神経麻痺は、声帯を支配する反回神経の障害により発声障害や嗄声、誤嚥などを呈する疾患。原因は腫瘍、外傷、炎症、手術後など多岐にわたる。診断には喉頭ファイバースコピーや画像検査が用いられる。
要点
- 声帯運動障害による嗄声や発声困難が主徴
- 原因は腫瘍・手術・炎症・特発性など多様
- 誤嚥や呼吸障害を伴う場合もある
病態・原因
反回神経は迷走神経から分岐し、喉頭筋を支配する。甲状腺・食道・肺・大動脈などの腫瘍や手術、炎症、外傷、特発性要因により神経伝導が障害されることで発症する。
主症状・身体所見
主な症状は嗄声、発声困難、声が出しにくい、誤嚥傾向である。片側性では嗄声や声量低下が目立ち、両側性では呼吸困難を呈することがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 喉頭ファイバースコピー | 声帯の運動障害(片側または両側の可動域低下) | 声帯の位置・動きの直接観察 |
| 頸部・胸部CT/MRI | 神経走行部の腫瘍・異常の有無 | 原因検索に有用 |
| 声門ストロボスコピー | 声帯振動の異常 | 微細な運動障害評価 |
喉頭ファイバースコピーで声帯運動障害を確認し、画像検査で原因疾患(腫瘍・解剖異常など)を検索する。特発性の場合は他疾患除外が重要となる。
治療
- 原因治療:腫瘍切除、感染・炎症治療、手術合併症の場合は再建術
- 音声リハビリテーション:発声訓練・嚥下訓練
- 外科的治療:声帯内注入、甲状軟骨形成術など
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 喉頭癌 | 腫瘍性病変の有無、進行性嗄声 | 喉頭内腫瘍の画像所見 |
| 声帯ポリープ | 局所性隆起、急性発症の嗄声 | ポリープの有無 |
| 甲状腺腫瘍 | 甲状腺腫大、圧迫症状 | 甲状腺腫の画像・触診所見 |
補足事項
特発性の場合も多いが、悪性腫瘍の圧迫や浸潤によるものが隠れていることがあるため、詳細な原因検索が不可欠である。術後合併症としても重要な疾患である。