声帯ポリープ
概要
声帯ポリープは声帯に発生する限局性の良性腫瘤で、主に声の酷使や喫煙などが原因となる。嗄声(声がれ)を主症状とし、音声障害の代表的疾患の一つ。自然治癒もあるが、治療には保存的療法や手術が選択される。
要点
- 声帯に生じる良性の腫瘤性病変
- 嗄声や声のかすれが主症状
- 保存的治療または手術療法が選択肢
病態・原因
声帯ポリープは、声帯の過度な使用や声の乱用、喫煙、急性の声帯炎症などによる声帯粘膜の損傷が契機となる。損傷部位に血腫や浮腫が生じ、これが慢性化してポリープとして発育する。
主症状・身体所見
主な症状は嗄声(声がれ)や声のかすれで、声を出す際の違和感や発声困難を訴えることが多い。身体所見としては、喉頭ファイバースコピーで声帯の片側または両側に赤色調の腫瘤が認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 喉頭ファイバースコピー | 声帯上の赤色〜淡紅色の限局性腫瘤 | 片側性が多いが、両側性もありうる |
| ストロボスコピー | 声帯振動の不均一・可動性低下 | 振動障害の評価、機能的障害の把握に有用 |
| 画像検査(稀) | 必要に応じてCTやMRIで腫瘍性病変を除外 | 他疾患との鑑別や深達度評価の補助 |
診断は主に喉頭ファイバースコピーによる視診で行う。腫瘍性病変や他の良性疾患との鑑別目的で画像検査を追加することもある。悪性所見が疑われる場合は生検が必要となる。
治療
- 第一選択:声帯安静、発声指導などの保存的治療
- 補助療法:ステロイド吸入やネブライザー療法
- 注意点:保存的治療で改善しない場合や職業上の必要性が高い場合はポリープ切除術(マイクロサージェリー)を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| ポリープ様声帯 | 声帯全体の浮腫性腫脹、両側性が多い | 声帯全体が腫大、表面平滑 |
| 喉頭癌 | 進行性嗄声、嚥下障害、血痰 | 不整形腫瘤、表面不整、悪性所見 |
補足事項
声帯ポリープは発症早期であれば保存的治療で改善することも多いが、長期化や職業性音声障害では手術適応となる。再発予防には発声習慣の改善が重要である。