パニック障害
概要
パニック障害は、突発的な強い不安発作(パニック発作)を繰り返す精神疾患である。発作は予期せず生じ、動悸・息切れ・めまいなどの身体症状を伴う。発作への不安(予期不安)や回避行動が日常生活に支障をきたす。
要点
- 繰り返す激しいパニック発作が特徴
- 予期不安や広場恐怖を伴いやすい
- 身体疾患との鑑別が重要
病態・原因
パニック障害は脳内のノルアドレナリンやセロトニン系の異常、ストレス、遺伝的素因などが関与すると考えられる。発症リスクには家族歴や過去のストレス体験が含まれる。
主症状・身体所見
主症状は突然の激しい不安発作で、動悸、発汗、息苦しさ、胸痛、めまい、手足のしびれ、死の恐怖など多彩な自律神経症状を伴う。発作は数分から1時間程度持続し、発作以外でも発作への強い不安(予期不安)がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 精神科面接 | パニック発作の繰り返し、予期不安、回避行動 | DSM-5等の診断基準に基づく |
| 血液・心電図・甲状腺機能 | 異常なし | 器質的疾患の除外目的 |
パニック障害の診断は主に臨床診断であり、DSM-5などの診断基準を用いる。発作が繰り返され、明らかな身体疾患が否定されることが重要。心疾患や内分泌疾患との鑑別が必要。
治療
- 第一選択:SSRIなどの抗うつ薬、認知行動療法
- 補助療法:抗不安薬の短期使用、生活指導
- 注意点:抗不安薬の長期連用は依存リスクあり
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 虚血性心疾患 | 身体活動時に誘発、心電図変化 | 心電図・心エコーで異常 |
| 甲状腺機能亢進症 | 頻脈・発汗・体重減少 | 甲状腺ホルモン高値 |
補足事項
発作時の過換気症候群との鑑別も重要である。治療反応性は良好だが、再発や慢性化のリスクがあるため、継続的なフォローが推奨される。