アレルギー性結膜炎
概要
アレルギー性結膜炎は、アレルゲンの曝露によって結膜に生じるI型アレルギー反応による炎症性疾患である。主に季節性(花粉症)と通年性(ハウスダストなど)に分類され、かゆみや充血が特徴的である。視力障害を来すことは少ないが、日常生活に支障をきたすことがある。
要点
- 代表的なI型アレルギー疾患で、結膜に炎症を生じる
- かゆみ・充血・流涙が主症状で、重症例では角膜障害も
- 季節性(花粉)と通年性(ダニ・ハウスダスト)に分類される
病態・原因
アレルギー性結膜炎は、環境中のアレルゲン(花粉、ハウスダスト、ダニ、動物の毛など)が結膜に接触し、IgE抗体を介したI型アレルギー反応を引き起こすことで発症する。肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、炎症やかゆみを誘発する。
主症状・身体所見
両眼のかゆみ、結膜充血、流涙、異物感、眼瞼の腫脹が主な症状である。眼脂(めやに)は漿液性で、重症例では角膜上皮障害や巨大乳頭形成を認めることもある。かゆみが強いことが鑑別の重要なポイントとなる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼科的スリットランプ検査 | 結膜充血、乳頭増殖、浮腫 | 巨大乳頭や角膜障害の有無も確認 |
| 血清IgE・特異的IgE抗体 | IgE高値、特異的アレルゲン陽性 | 血液検査でアレルゲン同定 |
| 結膜擦過細胞診 | 好酸球増多 | 他疾患との鑑別に有用 |
診断は臨床症状と眼科的所見から行い、必要に応じてアレルゲン検査を追加する。好酸球の増多や特異的IgE抗体陽性が補助診断となる。画像診断は通常不要である。
治療
- 第一選択:抗ヒスタミン点眼薬、抗アレルギー点眼薬
- 補助療法:冷罨法、アレルゲン回避指導、重症例ではステロイド点眼
- 注意点:長期ステロイド使用は眼圧上昇や感染症リスクに注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 細菌性結膜炎 | 眼脂が膿性、かゆみより充血・痛み | 細菌培養陽性、好中球増多 |
| ウイルス性結膜炎 | 流行性、強い充血と異物感 | ウイルス抗原検出、リンパ節腫脹 |
| ドライアイ | 乾燥感主体、かゆみは少ない | シルマーテスト、染色で上皮障害確認 |
補足事項
アレルギー性結膜炎はアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎など他のアレルギー疾患と合併しやすい。重症例や治療抵抗例では、春季カタルやアトピー性角結膜炎など重篤な病型の鑑別も重要である。