春季カタル
概要
春季カタルは主に小児から思春期の男児に多いアレルギー性結膜炎の一種で、季節性に発症しやすい。重症例では角膜障害を伴い、視力低下の原因となることがある。
要点
- アレルギー性結膜炎の中でも重症型
- 角膜障害を伴いやすい
- 男児・春季発症が特徴
病態・原因
I型アレルギー反応を主体とし、好酸球や肥満細胞の関与が強い。遺伝的素因や環境要因が重なり発症し、特に花粉やハウスダストなどの環境抗原が誘因となる。
主症状・身体所見
強い眼のかゆみ、異物感、流涙、充血がみられる。特徴的な巨大乳頭(上眼瞼結膜)、輪部結膜の肥厚、シールド潰瘍など角膜病変が出現することも多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 細隙灯顕微鏡検査 | 乳頭増殖、角膜上皮障害 | 巨大乳頭や輪部病変の観察 |
| アレルギー検査 | IgE高値、好酸球増多 | 血清や眼分泌物で確認 |
| 眼科的視力検査 | 視力低下の有無 | 角膜障害の評価 |
臨床診断は特徴的な眼瞼結膜乳頭増殖や輪部肥厚、季節性発症から行う。シールド潰瘍など角膜病変の有無も重症度判定に重要。アレルギー検査は補助的。
治療
- 第一選択:抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬
- 補助療法:冷罨法、人工涙液、免疫抑制薬点眼(シクロスポリンなど)
- 注意点:長期ステロイド使用による副作用(眼圧上昇、白内障)に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| アレルギー性結膜炎 | 乳頭増殖や角膜障害は軽度 | 角膜障害・巨大乳頭は稀 |
| アトピー性角結膜炎 | 通年性、皮膚症状合併が多い | 皮膚所見と慢性経過 |
| 細菌性結膜炎 | 粘性の強い膿性分泌物 | 細菌培養陽性 |
補足事項
春季カタルは日本では比較的稀だが、重症例では視力障害のリスクが高く、早期診断・治療が重要。点眼薬の副作用管理や生活指導も欠かせない。