ウイルス性結膜炎
概要
ウイルス性結膜炎は、アデノウイルスなどのウイルス感染により結膜に炎症が生じる疾患で、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱などが含まれる。強い伝染性を持ち、主に接触感染によって流行する。急性の結膜充血、異物感、流涙などが主症状である。
要点
- アデノウイルスなどによる急性結膜炎
- 強い伝染力と集団発生のリスク
- 眼症状と全身症状(咽頭痛・発熱)を伴うことも
病態・原因
主な原因はアデノウイルス(特に8型、19型、37型)で、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスも関与する。ウイルスが結膜に感染し、炎症反応を引き起こす。患者の涙や眼脂を介した接触感染が主な伝播経路であり、学校や家庭など集団生活で流行しやすい。
主症状・身体所見
結膜充血、眼脂、流涙、異物感、眼痛が典型的で、片眼発症後に両眼へ波及することが多い。咽頭結膜熱では咽頭痛や発熱を伴う。耳前リンパ節腫脹がみられることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 結膜スワブ | ウイルス抗原検出 | アデノウイルス迅速診断キットなど |
| 眼科的診察 | 結膜充血・濾胞形成・眼脂 | 角膜上皮下混濁を認める場合あり |
臨床症状と流行状況から診断することが多いが、迅速抗原検査やPCRでウイルス同定が可能。角膜混濁や偽膜形成が重症例でみられる。
治療
- 第一選択:対症療法(人工涙液、冷罨法など)
- 補助療法:二次感染予防のための抗菌点眼薬
- 注意点:登校・出勤停止指導、感染拡大防止策の徹底
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 細菌性結膜炎 | 黄緑色の膿性眼脂が主体 | 細菌培養陽性 |
| アレルギー性結膜炎 | 強い痒み・季節性・両眼性 | 好酸球増多、IgE上昇 |
| クラミジア結膜炎 | 慢性経過・濾胞性変化 | クラミジア抗原陽性 |
補足事項
ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強く、タオルや手指などを介して容易に拡散するため、手洗いや消毒の徹底が重要。アデノウイルスによる流行性角結膜炎は学校保健安全法で出席停止の対象となるなど、公衆衛生的対応も必要となる。