アスピリン中毒

概要

アスピリン中毒はサリチル酸系解熱鎮痛薬の過量摂取や慢性的な服用により発症する中毒状態である。急性および慢性型があり、重症例では代謝性アシドーシスや多臓器障害を来す。小児や高齢者は特に重篤化しやすい。

要点

  • 過量摂取で代謝性アシドーシスや呼吸性アルカローシスをきたす
  • 神経症状・消化器症状・多臓器障害が出現
  • 早期の診断と支持的治療が重要

病態・原因

アスピリン(サリチル酸)は過量摂取や長期多量投与により中毒を起こす。サリチル酸は呼吸中枢刺激による過換気、酸塩基平衡異常、細胞代謝障害を引き起こす。小児や腎機能障害患者は特にリスクが高い。

主症状・身体所見

初期は悪心・嘔吐・耳鳴・過呼吸がみられ、進行すると意識障害、痙攣、高熱、脱水、ショック、呼吸困難、出血傾向など多彩な症状を呈する。呼吸性アルカローシスから代謝性アシドーシスへ移行するのが特徴的。

検査・診断

検査所見補足
血中サリチル酸濃度高値(中毒域:30mg/dL以上)中毒重症度の指標
血液ガス分析呼吸性アルカローシス・代謝性アシドーシス酸塩基平衡異常の評価
電解質・腎機能低カリウム血症・腎障害合併症や重症度評価

血中サリチル酸濃度の測定が診断の中心であり、臨床症状と合わせて重症度を判定する。血液ガス分析で酸塩基異常を確認する。重症例では腎機能障害や高熱、肝障害も併発することがある。

治療

  • 第一選択:胃洗浄・活性炭投与、輸液・電解質補正
  • 補助療法:重症例では血液透析、利尿促進、体温管理
  • 注意点:重症例・小児・高齢者では早期に透析を検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アセトアミノフェン中毒肝障害主体、消化器症状は軽度サリチル酸濃度正常、肝酵素上昇
Reye症候群小児、肝障害+脳症、ウイルス感染後サリチル酸濃度正常、肝機能障害

補足事項

アスピリン中毒は慢性型では高齢者や腎障害患者で発症しやすく、症状が非典型的なことも多い。小児ではReye症候群との鑑別が重要である。近年は解熱鎮痛薬の適正使用が推奨されている。

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