Duchenne型筋ジストロフィー
概要
Duchenne型筋ジストロフィーは、ジストロフィン遺伝子の変異によるX連鎖劣性遺伝疾患であり、進行性の筋力低下と筋萎縮を特徴とする。主に男児に発症し、歩行障害や心・呼吸機能障害を伴う。小児期から症状が現れ、生命予後にも影響を及ぼす。
要点
- ジストロフィン遺伝子異常による進行性筋力低下
- 小児期発症、歩行障害・心肺合併症が進行
- X連鎖劣性遺伝で主に男児に発症
病態・原因
ジストロフィン遺伝子の異常により、骨格筋細胞膜の安定性が損なわれることで筋細胞が壊死し、線維化や脂肪変性が進行する。X染色体劣性遺伝のため、ほとんどが男児に発症する。
主症状・身体所見
幼児期より筋力低下が目立ち、転倒しやすい、走れない、階段昇降困難などがみられる。Gowers徴候や腓腹筋の仮性肥大が特徴的で、進行すると歩行不能となり、心筋・呼吸筋障害を来す。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清CK値 | 著明高値 | 筋細胞壊死による逸脱酵素上昇 |
| 遺伝子検査 | ジストロフィン遺伝子異常 | 確定診断に必須 |
| 筋生検 | ジストロフィン蛋白欠損 | 免疫染色で確認 |
臨床症状とCK高値から疑い、遺伝子検査や筋生検で確定診断する。心エコーや呼吸機能検査も進行評価に重要。
治療
- 第一選択:ステロイド療法(プレドニゾロンなど)
- 補助療法:リハビリテーション、装具、呼吸管理、心不全治療
- 注意点:感染予防、骨粗鬆症対策、定期的心肺機能評価
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Becker型筋ジストロフィー | 発症・進行が遅い、歩行保持期間が長い | ジストロフィン蛋白の量的低下 |
| LG型筋ジストロフィー | 四肢近位筋優位の筋力低下、顔面筋障害 | ジストロフィンは正常、他の筋蛋白異常 |
補足事項
新規治療としてエクソンスキッピングや遺伝子治療の臨床研究が進行中。定期的な多職種連携による包括的ケアが推奨される。