糖原病Ⅱ型
概要
糖原病Ⅱ型(Pompe病)は、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)欠損によるリソソーム内グリコーゲン蓄積症である。主に骨格筋や心筋に障害が現れ、乳児型では重篤な心筋症や筋力低下を呈する。進行性であり、早期診断と治療が重要となる。
要点
- 酸性α-グルコシダーゼの先天的欠損による
- 骨格筋・心筋障害が主体、乳児型は重篤
- 酵素補充療法が治療の中心
病態・原因
GAA遺伝子の変異により酸性α-グルコシダーゼ活性が著しく低下し、リソソーム内にグリコーゲンが異常蓄積する。常染色体劣性遺伝形式で発症し、乳児型と遅発型に分類される。
主症状・身体所見
乳児型では筋緊張低下、筋力低下、心筋症、呼吸障害、哺乳不良、巨舌などがみられる。遅発型では進行性筋力低下、呼吸不全が主で、心筋症はまれである。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清CK値 | 上昇 | 筋障害の指標となる |
| 酸性α-グルコシダーゼ活性測定 | 低下 | 血液・筋生検・皮膚線維芽細胞で測定 |
| 心エコー | 心肥大 | 乳児型で特徴的 |
確定診断は酵素活性測定や遺伝子解析で行う。筋生検でPAS陽性のグリコーゲン沈着が認められる。心エコーで心筋肥大が特徴的。
治療
- 第一選択:酵素補充療法(エロスカーゼアルファ静注)
- 補助療法:呼吸管理、リハビリテーション、栄養管理
- 注意点:早期治療開始が予後改善に重要、感染予防も重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖原病Ⅰ型 | 低血糖・肝腫大主体 | 酸性α-グルコシダーゼ活性は正常 |
| Duchenne型筋ジストロフィー | 心筋症・筋力低下も類似 | 酵素活性正常、遺伝子診断で区別 |
補足事項
新生児スクリーニング対象疾患として導入が進んでいる。酵素補充療法により予後の改善が著明となったが、治療のタイミングが重要である。