視床下部性無月経

概要

視床下部性無月経は、視床下部の機能障害によりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌が低下し、続発性無月経をきたす疾患である。精神的・身体的ストレスや急激な体重減少、過度な運動が主な誘因となる。若年女性に多く、可逆性であることが特徴。

要点

  • GnRH分泌低下による続発性無月経
  • 精神的・身体的ストレスや体重減少が主因
  • 可逆性で治療により月経回復が期待できる

病態・原因

視床下部からのGnRH分泌が低下することで、下垂体からのLH・FSH分泌も減少し、卵巣機能が抑制される。過度なダイエット、摂食障害、激しい運動、精神的ストレスなどが誘因となる。器質的な病変は認められないことが多い。

主症状・身体所見

主症状は無月経(3か月以上の月経停止)であり、しばしば急激な体重減少や過度の運動歴、精神的ストレスが背景にある。第二次性徴の退行は通常みられず、他の内分泌異常症状も乏しい。

検査・診断

検査所見補足
血中LH・FSH両者とも低値卵巣性・下垂体性との鑑別に有用
エストラジオール低値卵巣機能低下を反映
GnRH負荷試験LH・FSHの反応性あり下垂体性無月経との鑑別

ホルモンプロファイルでLH・FSH低値、エストラジオール低値を認める。GnRH負荷試験でLH・FSHの反応が保たれる点が下垂体性と異なる。画像検査で視床下部・下垂体の器質的病変が除外されることが重要。

治療

  • 第一選択:心理社会的ストレスの軽減、適正体重への回復
  • 補助療法:カウンセリング、栄養指導、ホルモン補充療法(希望・必要時)
  • 注意点:骨粗鬆症予防、摂食障害の合併に留意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
下垂体性無月経GnRH負荷試験でLH・FSH反応低下負荷試験で反応なし
卵巣性無月経FSH・LH高値、エストラジオール低値ゴナドトロピン高値

補足事項

長期の低エストロゲン状態は骨密度低下や心血管リスク増加につながるため、早期介入が重要。摂食障害の合併例では専門的な治療連携が必要となる。

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