卵巣性無月経
概要
卵巣性無月経は、卵巣自体の障害により月経が消失または発来しない状態を指す。主に卵巣の発育不全や早発卵巣不全、染色体異常などが原因となる。二次性徴の発現や不妊症を伴うことが多い。
要点
- 卵巣障害に起因する無月経である
- 原因は染色体異常や早発卵巣不全など多岐にわたる
- 二次性徴や不妊の問題を伴いやすい
病態・原因
卵巣性無月経は、卵巣の機能不全や発育異常、染色体異常(例:Turner症候群)、自己免疫性障害、早発卵巣不全などによって発症する。ゴナドトロピン(FSH・LH)は高値となるが、エストロゲンは低値となる。
主症状・身体所見
主な症状は無月経であり、原発性・続発性いずれの場合もみられる。二次性徴の発達不全や退行、不妊、骨粗鬆症などのエストロゲン欠乏症状を伴うことが多い。外陰・腟の萎縮もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中ホルモン測定 | FSH・LH高値、エストロゲン低値 | ゴナドトロピン抵抗性を示す |
| 染色体検査 | 異常(例:Turner症候群など) | 染色体異常の有無を確認 |
| 骨盤超音波 | 卵巣の萎縮・未発達 | 卵巣容積や卵胞の有無を評価 |
血中FSH・LH高値とエストロゲン低値が診断の決め手となる。染色体異常や卵巣の形態異常を認めることも多い。原発性無月経の場合は必ず染色体検査を行う。
治療
- 第一選択:ホルモン補充療法(エストロゲン・プロゲステロン)
- 補助療法:骨粗鬆症予防、心理的サポート
- 注意点:妊孕性の問題、長期的なエストロゲン欠乏症管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 視床下部性無月経 | ストレス・体重減少歴、FSH・LH低値 | ゴナドトロピン低値 |
| 下垂体性無月経 | 産褥後や頭部外傷歴、他の下垂体ホルモン低下 | ゴナドトロピン低値、他ホルモン低値 |
| 子宮性無月経 | 子宮の器質的異常 | ホルモン正常、画像で子宮異常 |
補足事項
卵巣性無月経は早期診断・治療が重要であり、長期的な健康管理(骨粗鬆症・心血管疾患予防など)が必要となる。原発性無月経では染色体・遺伝子異常の検索も行う。