滲出性中耳炎
概要
滲出性中耳炎は、鼓室内に滲出液が貯留し、急性炎症症状を伴わない中耳炎である。小児に多く、難聴や耳閉感を主症状とする。反復性や慢性化により聴力障害や言語発達遅延の原因となる。
要点
- 鼓室内に滲出液が貯留し急性炎症症状は目立たない
- 小児に多く、難聴や耳閉感が主症状
- 慢性化すると言語発達や学習に影響を及ぼす
病態・原因
耳管機能不全やアデノイド肥大、上気道炎などにより中耳の換気障害が生じ、鼓室内に滲出液が貯留する。アレルギーや副鼻腔炎、反復する急性中耳炎も発症リスクとなる。
主症状・身体所見
伝音難聴や耳閉感が主な症状で、耳痛や発熱は通常みられない。鼓膜の陥凹や液体貯留による鼓膜の光沢消失、気泡の観察が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 鼓膜鏡検査 | 鼓膜の陥凹・液体貯留・気泡 | 鼓膜の動きの低下も重要 |
| 聴力検査 | 伝音難聴(軽度~中等度) | 特に低音域での聴力低下 |
| ティンパノグラム | 平坦型(Type B) | 鼓室内液体貯留を示唆 |
鼓膜鏡での鼓膜の陥凹や液体貯留、気泡の確認が診断の決め手となる。ティンパノグラムや聴力検査も補助的に用いられる。
治療
- 第一選択:保存的治療(経過観察、耳管通気、薬物療法)
- 補助療法:アデノイド切除や鼓膜チューブ挿入(難治例・慢性例)
- 注意点:難聴や発語遅延のリスク、反復例は耳鼻咽喉科専門医へ紹介
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性中耳炎 | 発熱・耳痛・急性炎症所見 | 鼓膜発赤・膨隆、膿性分泌 |
| 真珠腫性中耳炎 | 慢性耳漏・骨破壊 | CTで骨破壊、真珠腫の存在 |
| 慢性中耳炎 | 慢性耳漏・鼓膜穿孔 | 鼓膜穿孔、耳漏の持続 |
補足事項
滲出性中耳炎は自然治癒することも多いが、学童期の難聴や発語遅延を防ぐため早期発見・適切な介入が重要である。反復例や長期化例は合併症にも注意する。