慢性中耳炎
概要
慢性中耳炎は鼓膜穿孔が持続し、中耳に慢性的な炎症が生じる疾患である。反復する耳漏や難聴が主症状となり、長期間にわたり症状が持続することが特徴。放置すると聴力低下や重篤な合併症を生じることがある。
要点
- 鼓膜穿孔と持続的な耳漏が特徴
- 難聴や耳鳴などの聴覚障害をきたしやすい
- 真珠腫形成や重篤な合併症に注意が必要
病態・原因
慢性中耳炎は急性中耳炎の反復や治療遅延、耳管機能不全などが原因で発症する。鼓膜穿孔が治癒せず、細菌感染や炎症が持続することで中耳腔の粘膜が肥厚・線維化し、慢性炎症となる。
主症状・身体所見
主な症状は持続的または反復する耳漏と難聴である。鼓膜穿孔が認められ、耳鳴や耳閉感を伴うことも多い。耳漏は無臭であることが多いが、二次感染時には膿性となる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 耳鏡検査 | 鼓膜穿孔、肉芽、耳漏 | 穿孔部位や肉芽の有無を観察 |
| 聴力検査 | 伝音難聴、混合難聴 | 気骨導差や難聴程度を評価 |
| 細菌培養検査 | 病原菌の同定 | 耳漏の細菌検査 |
診断は耳鏡検査による鼓膜穿孔の確認と、聴力検査での難聴型の把握が基本となる。CTで中耳腔や乳突洞の構造評価を行い、合併症や真珠腫形成の有無を確認することもある。
治療
- 第一選択:保存的治療(耳漏の清拭、抗菌薬点耳)、手術(鼓室形成術)
- 補助療法:耳管機能訓練、生活指導、補聴器
- 注意点:再発防止のため耳漏管理と感染予防、合併症(髄膜炎など)への注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性中耳炎 | 発症が急性、鼓膜発赤・膨隆 | 鼓膜穿孔はまれ |
| 滲出性中耳炎 | 耳漏を伴わず、難聴主体 | 鼓膜の陥凹や滲出液 |
| 真珠腫性中耳炎 | 真珠腫形成、骨破壊性 | CTで骨破壊を認める |
補足事項
慢性中耳炎は適切な治療で予後良好だが、真珠腫形成や頭蓋内合併症に注意が必要。小児では耳管機能未熟が背景にあることが多く、再発例では生活環境や基礎疾患の精査も重要となる。