多発性筋炎・皮膚筋炎

概要

多発性筋炎・皮膚筋炎は、主に骨格筋の炎症と筋力低下を特徴とする特発性炎症性筋疾患である。皮膚筋炎では筋症状に加え特有の皮膚症状を伴う。自己免疫機序が発症に関与し、悪性腫瘍の合併も注目される。

要点

  • 近位筋優位の筋力低下と筋酵素上昇を示す
  • 皮膚筋炎ではヘリオトロープ疹やゴットロン徴候が特徴的
  • 悪性腫瘍や間質性肺炎の合併に注意が必要

病態・原因

自己免疫反応による骨格筋の炎症が主病態で、CD8陽性T細胞や自己抗体の関与が示唆される。ウイルス感染や悪性腫瘍が発症の引き金となる場合もある。皮膚筋炎では血管障害が皮膚・筋組織で顕著。

主症状・身体所見

四肢近位筋の対称性筋力低下、筋肉痛、易疲労感が中心症状である。皮膚筋炎ではヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、V徴候、ショール徴候などの皮膚症状が認められる。発熱や関節痛、嚥下障害もみられる。

検査・診断

検査所見補足
血清CK・AST・LDH上昇筋障害の指標
抗ARS抗体・抗Mi-2抗体陽性例ありサブタイプ診断や予後推定
筋電図異常筋電図筋原性変化
筋生検筋線維壊死・炎症細胞浸潤診断の決め手

臨床症状と筋酵素上昇、筋電図・生検所見の組み合わせで診断する。皮膚筋炎では皮膚所見が診断に有用。画像検査(MRI)で筋炎の分布を評価できる。

治療

  • 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
  • 補助療法:免疫抑制薬(メトトレキサート、アザチオプリン)、リハビリテーション
  • 注意点:悪性腫瘍検索と間質性肺炎の合併管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
筋ジストロフィー若年発症・進行性萎縮遺伝子検査陽性、自己抗体陰性
甲状腺機能低下症筋力低下+他の甲状腺症状甲状腺ホルモン異常、筋酵素軽度上昇

補足事項

悪性腫瘍合併率が高く、特に中高年での発症時は精査が必須。間質性肺炎や心筋炎など致死的合併症にも注意する。小児例では皮膚筋炎が多い。

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