好酸球性びまん性筋膜炎
概要
好酸球性びまん性筋膜炎は、四肢の筋膜に好酸球浸潤を主体とした炎症をきたす稀な膠原病である。主に成人に発症し、皮膚の硬化や浮腫、運動障害を呈する。しばしば関節拘縮や血液中の好酸球増多を伴う。
要点
- 四肢の筋膜に好酸球浸潤を認める
- 皮膚硬化・浮腫・関節拘縮が主症状
- 血液中の好酸球増多と高IgGが特徴
病態・原因
原因は明確でないが、自己免疫機序やアレルギー反応の関与が示唆されている。外傷や過度の運動、薬剤投与などが発症の契機となることもある。筋膜に好酸球とリンパ球の浸潤が生じ、線維化や肥厚をきたす。
主症状・身体所見
四肢(特に前腕・下腿)の浮腫状腫脹と皮膚の硬化、橘皮様変化、関節の可動域制限がみられる。手指の腫脹(ソーセージ様)や手背静脈の溝状陥凹(groove sign)が特徴的。全身倦怠感や発熱を伴うこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 好酸球増多、IgG・IgE高値 | 炎症反応高値も参考 |
| 筋膜生検 | 筋膜の好酸球浸潤、線維化、肥厚 | 診断の決め手 |
| MRI | 筋膜の肥厚、浮腫性変化 | 造影で筋膜の高信号 |
診断は臨床症状と血液所見、画像所見、筋膜生検での好酸球浸潤の証明により確定する。MRIは筋膜の浮腫や肥厚の評価に有用である。
治療
- 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
- 補助療法:免疫抑制剤(メトトレキサート等)、理学療法
- 注意点:再発や慢性化に注意し、長期経過観察が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 強皮症 | レイノー現象・内臓病変を伴う | 自己抗体陽性 |
| 多発性筋炎・皮膚筋炎 | 筋力低下・筋酵素上昇が主体 | 筋生検で筋線維障害 |
| 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 | 血管炎症状・喘息・多臓器障害 | ANCA陽性、血管炎所見 |
補足事項
小児例は稀で、成人女性にやや多い。治療抵抗例では免疫抑制剤の併用を検討する。早期診断・治療介入が機能予後に重要である。