サルコイドーシス
概要
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患で、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の形成を特徴とする。主に肺やリンパ節、皮膚、眼など多臓器に病変が現れる。20〜40歳代の若年成人に多く、自然寛解する例もあるが、慢性経過や臓器障害を残すこともある。
要点
- 非乾酪性肉芽腫が全身臓器に形成される
- 肺・縦隔リンパ節・皮膚・眼の障害が中心
- 診断には臨床像・画像・組織診断の総合判断が必要
病態・原因
サルコイドーシスの発症機序は明確ではないが、遺伝的素因や環境因子、免疫異常が関与すると考えられている。T細胞優位の免疫応答により、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が全身臓器に形成される。
主症状・身体所見
肺病変では咳嗽、息切れ、胸部不快感がみられる。両側肺門リンパ節腫脹、皮膚病変(結節性紅斑など)、ぶどう膜炎などの眼症状が特徴的。無症状例も多いが、慢性化すると臓器障害が進行しうる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 胸部X線/CT | 両側肺門リンパ節腫脹、網状影、結節影 | 進行例で線維化も |
| 血清ACE値 | 上昇 | 活動性指標の一つ |
| 組織生検 | 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫 | 病理診断に必須 |
診断は臨床像・画像所見・組織診断(非乾酪性類上皮細胞肉芽腫)を組み合わせて行う。他の肉芽腫性疾患(結核、真菌症など)を除外することが重要である。
治療
- 第一選択:中等症以上や臓器障害時はステロイド全身投与
- 補助療法:経過観察、必要に応じて免疫抑制薬
- 注意点:無症状や軽症例は経過観察、長期管理で臓器障害進行に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 結核菌感染症 | 乾酪性肉芽腫、発熱・盗汗・体重減少 | 抗酸菌検査陽性、培養で結核菌 |
| 間質性肺炎 | 線維化優位、肉芽腫形成は乏しい | 肉芽腫所見なし、肺機能障害主 |
| 悪性リンパ腫 | 急速なリンパ節腫脹、B症状 | 組織で腫瘍性細胞、肉芽腫なし |
補足事項
日本では特定疾患(難病)に指定されている。自然寛解する例も多いが、心臓や中枢神経病変では重篤な転帰をとることがあるため、定期的な臓器評価が推奨される。