肺リンパ脈管筋腫症

概要

肺リンパ脈管筋腫症(LAM)は、主に女性に発症し、肺のリンパ脈管や平滑筋様細胞の異常増殖によるびまん性嚢胞性変化を特徴とする希少疾患である。進行すると呼吸不全や気胸、乳び胸をきたすことがある。

要点

  • 若年~中年女性に多く発症するびまん性嚢胞性肺疾患
  • 進行性の呼吸機能障害や反復性気胸を呈する
  • 結節性硬化症との関連がある

病態・原因

LAMは異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が肺やリンパ管、血管壁に浸潤・増殖することで、嚢胞形成やリンパ流障害を生じる。エストロゲン依存性とされ、TSC1/TSC2遺伝子変異が関与することが多い。

主症状・身体所見

労作時呼吸困難、反復性気胸、乳び胸が主な症状である。咳嗽や血痰、胸痛もみられることがある。進行例では低酸素血症や呼吸不全を呈する。

検査・診断

検査所見補足
胸部CT多発性薄壁嚢胞両側性・びまん性、正常肺との混在
血清VEGF-D高値診断補助マーカー
呼吸機能検査閉塞性・拘束性障害拡散能低下が特徴的

画像診断(特に高分解能CT)で多発性嚢胞が認められ、臨床症状や血清VEGF-D高値、時に肺生検所見(HMB-45陽性細胞)で確定診断となる。結節性硬化症の合併も診断の手がかりとなる。

治療

  • 第一選択:mTOR阻害薬(シロリムス)
  • 補助療法:酸素療法、反復性気胸への外科的処置
  • 注意点:妊娠・エストロゲン製剤は増悪因子、進行例では肺移植も考慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
特発性肺線維症蜂巣肺・線維化優位網状影・牽引性気管支拡張
サルコイドーシス両側肺門リンパ節腫脹非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
気管支拡張症局所性気管支拡張嚢状・円筒状拡張像

補足事項

本疾患は希少疾患であるが、近年mTOR阻害薬による治療が進歩している。結節性硬化症関連LAMと孤発性LAMが存在し、両者で臨床経過が異なることがある。

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