肺胞蛋白症

概要

肺胞蛋白症は、肺胞内にサーファクタント成分が異常に蓄積する希少な肺疾患である。主に自己免疫性と続発性、遺伝性に分類され、進行すると呼吸不全をきたす。診断と治療には特殊な検査や手技が必要となる。

要点

  • 肺胞内に蛋白様物質が蓄積しガス交換障害を生じる
  • 主に自己免疫性が多く、GM-CSF自己抗体が関与
  • 全肺洗浄が治療の中心であり、再発例もある

病態・原因

肺胞蛋白症は、サーファクタントのクリアランス障害により肺胞内に蛋白様物質が蓄積することで発症する。自己免疫性ではGM-CSF自己抗体が産生されることでマクロファージ機能が障害される。続発性は粉塵曝露や悪性腫瘍、免疫不全などが原因となる。

主症状・身体所見

労作時呼吸困難や乾性咳嗽が主症状で、進行例では安静時呼吸困難やチアノーゼも出現する。聴診では両側性fine cracklesを認めることが多い。無症状の場合もある。

検査・診断

検査所見補足
胸部CT両側性すりガラス影、crazy-paving様陰影典型的な画像所見で診断の手がかり
気管支肺胞洗浄液乳白色でPAS陽性の蛋白様物質診断に有用
血清GM-CSF抗体高値(自己免疫性で)自己免疫性の診断補助

画像所見では両側性のすりガラス影やcrazy-paving patternが特徴的。気管支肺胞洗浄液の性状やPAS染色陽性所見も診断に重要。自己免疫性では血清GM-CSF抗体測定が有用。

治療

  • 第一選択:全肺洗浄(whole lung lavage)
  • 補助療法:GM-CSF投与(吸入または皮下注)、酸素投与
  • 注意点:感染症合併や再発に注意、続発性では原因疾患治療も重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
間質性肺炎線維化・蜂巣肺が目立つHRCTで網状影や牽引性気管支拡張
サルコイドーシス両側肺門リンパ節腫脹、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫生検で肉芽腫、血清ACE高値
ニューモシスチス肺炎免疫不全背景、発熱・呼吸困難BALで真菌検出、β-Dグルカン高値

補足事項

希少疾患であり、専門施設での診断・治療が推奨される。自己免疫性は成人発症が多いが、小児例や遺伝性も存在する。新規治療法としてリコンビナントGM-CSFの有効性も報告されている。

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