インフルエンザ脳症

概要

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルス感染に伴い発症する急性脳症で、主に小児に多くみられる。高熱発症後、急速に意識障害やけいれんなどの神経症状を呈し、進行が速い点が特徴である。重篤な後遺症や死亡に至ることもあるため、早期診断と治療が重要となる。

要点

  • インフルエンザ感染後、急性に神経症状が出現
  • 小児に多く、進行が速く重篤化しやすい
  • 早期診断・治療が予後改善の鍵

病態・原因

インフルエンザウイルス感染による免疫反応の異常亢進やサイトカインストームが主な発症機序と考えられている。特に小児で発症しやすく、遺伝的素因やウイルス型、年齢などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

高熱に続いて、意識障害、けいれん、異常行動、失見当識、昏睡などの急性神経症状がみられる。重症例ではショックや多臓器不全を合併することもある。

検査・診断

検査所見補足
脳MRI脳浮腫、白質病変、脳幹病変など播種性病変が特徴
血液・髄液検査AST/ALT上昇、髄液細胞増多は軽度または正常髄液ウイルスPCR陰性が多い

臨床症状とインフルエンザ感染の証明が診断の基本。画像で両側視床や白質、脳幹などの異常所見を認めることが多い。髄液所見は非特異的なことが多い。

治療

  • 第一選択:脳圧管理、抗けいれん薬、ステロイドパルス療法
  • 補助療法:抗インフルエンザ薬、免疫グロブリン大量療法、支持療法
  • 注意点:早期治療開始と合併症管理が重要、解熱薬(アスピリン)はReye症候群予防のため禁忌

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性脳炎ウイルス検出、髄液細胞増多顕著髄液所見異常
Reye症候群肝障害・高アンモニア血症・低血糖肝酵素・アンモニア上昇

補足事項

インフルエンザ脳症は日本での発症が多く、特にA型ウイルス流行期に増加する。予防にはワクチン接種が有効であるが、完全な予防は困難である。

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