抗インフルエンザウイルス薬

概要

抗インフルエンザウイルス薬は、インフルエンザウイルスの増殖を阻害することにより、インフルエンザの症状緩和や重症化予防を目的として用いられる薬剤群である。主にA型およびB型インフルエンザウイルスに対して有効な薬剤が臨床で使用される。発症早期の投与が効果的とされる。

要点

  • インフルエンザウイルスの増殖を阻害する薬剤である
  • 早期投与が臨床効果発現の鍵となる
  • 副作用や耐性ウイルス出現に注意が必要

薬理作用・機序

ノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル、ザナミビルなど)はウイルスの遊離を阻害し、M2タンパク阻害薬(アマンタジン)はウイルスの脱殻を阻害する。キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬(バロキサビル)はウイルスRNA複製を阻害する。

禁忌・副作用

重篤な腎障害や既知の過敏症患者には禁忌となる場合がある。副作用としては悪心、嘔吐、下痢、精神・神経症状(異常行動など)、アレルギー反応が報告されている。小児や高齢者では特に異常行動に注意を要する。

適応疾患

疾患薬理作用補足
インフルエンザウイルス感染症ウイルス増殖阻害A型・B型両方に適応
インフルエンザ脳症ウイルス増殖阻害補助的治療

インフルエンザウイルス感染症の治療や重症化予防目的で用いられる。発症初期に投与することで発熱期間短縮や合併症予防が期待される。インフルエンザ脳症など重篤な合併症例にも補助的に使用される。

薬品例

薬品名主に使われるケース
オセルタミビル季節性インフルエンザ治療
ザナミビル季節性インフルエンザ治療
ラニナミビル季節性インフルエンザ治療
バロキサビル季節性インフルエンザ治療
アマンタジンA型インフルエンザ治療(限定的)

補足事項

耐性ウイルスの出現や、薬剤ごとの投与経路・年齢制限に注意が必要である。日本ではノイラミニダーゼ阻害薬が主流であり、バロキサビルは単回投与で効果が期待できるが耐性化リスクも指摘されている。

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