風疹
概要
風疹は風疹ウイルスによる急性発疹性感染症で、主に小児に多いが成人にも発症する。発熱、発疹、リンパ節腫脹が三主徴であり、妊婦感染では胎児に重篤な影響を及ぼす。ワクチンによる予防が極めて重要である。
要点
- 風疹ウイルスによる飛沫感染で流行する
- 発熱・発疹・リンパ節腫脹が特徴
- 妊婦感染は先天性風疹症候群の原因となる
病態・原因
風疹ウイルス(Rubella virus)感染により発症し、主に飛沫感染で伝播する。潜伏期間は約2〜3週間であり、感染力は発疹出現の前後に最も強い。妊婦が妊娠初期に感染すると胎児に重篤な先天異常をもたらす。
主症状・身体所見
発熱、全身性の淡紅色発疹、後頸部・耳介後部・後頭部リンパ節腫脹が典型的。関節痛や咽頭痛を伴うこともある。成人では小児より症状が重くなる傾向がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清抗体検査 | IgM抗体陽性、またはIgG抗体の有意な上昇 | 急性期・回復期ペア血清で確認 |
| PCR検査 | 咽頭ぬぐい液・血液から風疹ウイルス遺伝子検出 | 特に早期診断に有用 |
血清学的診断が基本で、急性期と回復期の抗体価上昇またはIgM陽性を確認する。PCRによるウイルス遺伝子検出も診断補助として用いる。発疹やリンパ節腫脹など臨床症状も重要。
治療
- 第一選択:対症療法(解熱・安静・水分補給)
- 補助療法:二次感染予防、必要に応じて抗ヒスタミン薬
- 注意点:妊婦感染の防止、ワクチン未接種者への接触回避
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 麻疹 | 高熱・コプリック斑・発疹の順序 | IgM抗体・PCRで鑑別可能 |
| 伝染性紅斑 | 両頬の紅斑・レース状発疹 | パルボウイルスB19抗体 |
| 突発性発疹 | 乳幼児に多く解熱後に発疹 | ヒトヘルペスウイルス6型抗体 |
補足事項
風疹ワクチン(MRワクチン)は予防に極めて有効であり、集団免疫のためにも高い接種率が求められる。成人男性の抗体保有率が低い世代では流行リスクが高い。