裂肛

概要

裂肛は肛門部の皮膚が縦方向に裂ける疾患で、主に排便時の痛みと出血を特徴とする。慢性化すると潰瘍や皮下瘻孔形成を伴うことがある。若年成人から中年に多く、便秘との関連が深い。

要点

  • 便秘や硬便による肛門上皮の裂傷が主因
  • 排便時痛と鮮血便が典型的症状
  • 慢性化で治療抵抗性となることもある

病態・原因

主に硬便や頻回の下痢による機械的刺激で肛門後方の皮膚が裂けて発症する。便秘傾向や肛門括約筋の緊張亢進がリスク因子となる。慢性化では潰瘍化や瘢痕形成、見張りいぼや肛門ポリープを伴うことがある。

主症状・身体所見

排便時の強い疼痛、鮮血の付着した便、排便後も持続する肛門部痛が主症状。肛門鏡で縦走する裂創が認められ、慢性例では潰瘍や見張りいぼ、肛門ポリープを伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
視診・触診肛門部の縦走裂創排便時痛のため診察は慎重に行う
肛門鏡検査裂創、潰瘍、見張りいぼ慢性例では瘢痕やポリープも確認

臨床症状と視診・肛門鏡所見で診断する。出血や潰瘍が持続する場合は悪性疾患や炎症性腸疾患の除外も必要となる。

治療

  • 第一選択:便通調整(軟便化)、局所軟膏(硝酸イソソルビド、ジルチアゼムなど)
  • 補助療法:坐浴、生活指導、鎮痛薬
  • 注意点:慢性例や保存的治療無効例では外科的切除や括約筋切開を検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
痔瘻内口・外口の存在、持続性分泌物触診・プローブで瘻孔確認
内痔核無痛性出血、腫瘤脱出肛門鏡で痔核確認
肛門周囲膿瘍発赤・腫脹・発熱・強い自発痛触診・超音波で膿瘍確認

補足事項

小児にも発症しやすく、便秘予防が重要である。慢性裂肛では肛門狭窄や二次感染のリスクもあるため、早期治療と生活指導が再発予防に有効とされる。

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