内痔核

概要

内痔核は肛門上皮よりも口側に発生する痔核で、肛門部の静脈叢のうっ血・拡張により形成される。主に無症状か、排便時の無痛性出血や脱出を特徴とする。進行すると脱出や貧血をきたすことがある。

要点

  • 肛門上皮より口側に発生する静脈叢のうっ血性疾患
  • 排便時の無痛性出血や脱出が主症状
  • 進行例では貧血や嵌頓も

病態・原因

長時間のいきみや便秘、妊娠、加齢などによる肛門部静脈叢への慢性的な圧負荷が主な原因となる。内痔核は歯状線より口側の粘膜下組織に発生し、静脈叢のうっ血・拡張により形成される。

主症状・身体所見

排便時の無痛性出血が最も多く、進行すると痔核の脱出や違和感、肛門部の不潔感がみられる。通常は痛みを伴わないが、嵌頓や炎症を起こすと疼痛を生じることがある。

検査・診断

検査所見補足
肛門診察内痔核の脱出・出血直腸診・視診で確認
直腸鏡検査内痔核の位置・大きさ他疾患との鑑別にも有用
便潜血検査出血の有無大腸癌などの除外目的

内痔核の診断は主に視診・直腸診で行い、必要に応じて直腸鏡を用いる。出血の原因検索や他の肛門疾患、大腸癌などの鑑別も重要である。

治療

  • 第一選択:保存的治療(食事・排便指導、軟膏、坐薬)
  • 補助療法:繊維摂取・便通改善、温罨法
  • 注意点:重症例や保存療法無効例では結紮切除術や硬化療法、再発予防には生活習慣の改善が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
外痔核歯状線より肛門側、疼痛あり視診で皮下の腫脹・疼痛
裂肛排便時の激痛・出血視診で肛門皮膚の裂創
肛門癌潰瘍性病変・硬結・出血生検で悪性細胞確認

補足事項

内痔核は進行度によりI〜IV度に分類され、治療方針が異なる。保存的治療が無効な場合や重度の脱出例では外科的治療が選択される。再発防止には生活習慣の見直しが重要である。

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