発作性上室頻拍

概要

発作性上室頻拍(PSVT)は、心房または房室接合部を起源とする突発的な頻拍性不整脈である。突然発症し突然停止する特徴があり、多くは若年者にもみられるが基礎心疾患の有無にかかわらず発症する。

要点

  • 突発的な発症・停止を特徴とする頻拍性不整脈
  • 房室結節回帰性頻拍(AVNRT)が最多
  • 血行動態によっては失神やショックの原因となる

病態・原因

発作性上室頻拍は、心房や房室結節領域におけるリエントリー機構や異常自動能が原因で発生する。典型的には房室結節回帰性頻拍(AVNRT)や房室回帰性頻拍(AVRT)が多い。誘因としてはカフェイン、アルコール摂取、ストレス、電解質異常などが挙げられる。

主症状・身体所見

突然の動悸、胸部不快感、息切れ、めまいなどが主症状である。発作時には規則正しい頻脈(心拍数150〜250/分)を認め、重症例では血圧低下や失神をきたすこともある。

検査・診断

検査所見補足
12誘導心電図規則正しい狭QRS頻拍P波がQRSに埋もれることあり
ホルター心電図発作の記録、頻度や持続時間把握発作時の診断に有用
血液検査電解質異常の有無誘因検索

心電図で発作時の狭QRS頻拍を確認することが診断の基本であり、P波の出現様式やRP間隔から頻拍の型を鑑別する。発作性であるため、ホルター心電図やイベントレコーダーが診断補助となる。

治療

  • 第一選択:迷走神経刺激法(バルサルバ法、冷水顔面浸漬)、アデノシン静注
  • 補助療法:β遮断薬やCa拮抗薬の投与、根治目的でカテーテルアブレーション
  • 注意点:基礎疾患や重症例では血行動態の悪化に留意し、緊急電気的除細動を検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
心房細動不規則なRR間隔、細動波心電図で基線細動波
心房粗動規則的な鋸歯状P波、心拍数150前後心電図で鋸歯状波
洞性頻脈徐々に発症・消失、誘因明瞭P波明瞭、正常QRS

補足事項

発作の頻度や重症度、患者のQOL低下を考慮し、根治治療(カテーテルアブレーション)の適応を検討する。無症候例でも基礎疾患や合併症の有無を評価することが重要である。

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