心房頻拍
概要
心房頻拍は、心房が異常な電気刺激により毎分100〜250回程度で規則的に興奮する上室性頻拍の一種である。洞結節以外の心房起源の自動能やリエントリーが原因となる。持続性の場合は心不全や血栓塞栓症のリスクが増大する。
要点
- 洞結節以外の心房起源で生じる規則的な頻拍
- 心不全や塞栓症などの合併症に注意が必要
- 薬物療法やカテーテルアブレーションが治療選択肢
病態・原因
心房頻拍は、心房内の異常自動能やリエントリー回路によって発生する。器質的心疾患、心房拡大、心筋炎、電解質異常、薬剤性などがリスク因子となる。発作性または持続性で出現する。
主症状・身体所見
動悸、息切れ、胸部不快感、めまいなどが主な症状である。重症例では心不全症状や意識障害を伴うこともある。心音の速拍や不整脈が身体所見として認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 12誘導心電図 | P波形の異常(鋸歯状や逆転P波など)、規則的頻拍 | 洞性頻脈や心房粗動との鑑別に有用 |
| ホルター心電図 | 発作性頻拍の記録 | 発作性の場合の診断に有用 |
| 心エコー | 心房拡大や基礎疾患の評価 | 心不全や器質的疾患の検索 |
心電図でP波が洞性でない形態を示し、QRS波は通常狭い。発作性の場合はホルター心電図やイベントレコーダーが有用。器質的心疾患の有無は心エコーで評価する。
治療
- 第一選択:カテーテルアブレーションまたは抗不整脈薬
- 補助療法:β遮断薬やCa拮抗薬による心拍数コントロール
- 注意点:心不全や血栓塞栓症の合併予防、抗凝固療法の適応判断
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 洞性頻脈 | P波が正常、負荷や発熱で出現 | P波形・発症状況 |
| 心房粗動 | 鋸歯状P波、頻拍が規則的 | P波の形態・周期 |
| 心房細動 | 不規則なRR間隔、P波消失 | 波形の不整規則性 |
補足事項
心房頻拍は高齢者や基礎心疾患患者で多くみられ、薬剤抵抗例や再発例ではアブレーション治療が推奨される。慢性化すると心房リモデリングや心不全進展のリスクがある。