晩発性皮膚ポルフィリン症
概要
晩発性皮膚ポルフィリン症は、肝臓でのヘム合成異常によりポルフィリンが蓄積し、主に光線過敏症状を呈する後天性ポルフィリン症である。成人発症が多く、慢性的な肝障害や鉄過剰、アルコール摂取などが発症に関与する。皮膚症状を中心に、尿の色調変化や肝機能障害も認められる。
要点
- 肝臓でのヘム合成障害によるポルフィリン蓄積が本態
- 皮膚の光線過敏症と水疱形成が特徴
- 肝障害や鉄過剰、C型肝炎などの合併が多い
病態・原因
肝臓におけるウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ活性低下により、ポルフィリンが過剰に蓄積する。発症にはC型肝炎ウイルス感染、アルコール、エストロゲン、鉄過剰、あるいは薬剤性因子が関与することが多い。遺伝因子と後天的要因が複合して発症する。
主症状・身体所見
手背や顔面など露光部の皮膚に水疱、びらん、瘢痕、色素沈着が生じる。軽度の外傷でも皮膚脆弱性が目立つ。尿の赤褐色化や多毛、肝腫大を伴うことがある。慢性的な肝障害の徴候を認める場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿中ポルフィリン定量 | ウロポルフィリン・ヘプタカルボキシポルフィリン増加 | 特徴的な検査所見 |
| 血清・便中ポルフィリン | アイソマーI型増加 | 鑑別に有用 |
| 肝機能検査 | GOT, GPT, γ-GTP上昇 | 肝障害の合併評価 |
| ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ活性 | 低下 | 診断の決め手 |
皮膚症状の分布や尿の色調変化、特異的なポルフィリン分画の増加が診断の根拠となる。肝生検で鉄沈着や肝線維化を認めることもある。
治療
- 第一選択:瀉血療法による鉄過剰の是正
- 補助療法:低用量クロロキン、紫外線防御、肝疾患管理
- 注意点:エストロゲン・アルコール・肝毒性薬剤の回避、C型肝炎治療
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性間欠性ポルフィリン症 | 腹痛・精神症状が主体、皮膚症状は少ない | 尿中δ-アミノレブリン酸・ポルフォビリノーゲン増加 |
| 水疱性類天疱瘡 | 高齢者に多く、自己免疫性水疱疾患 | 免疫染色で表皮基底膜部にIgG沈着 |
補足事項
C型肝炎ウイルス感染との関連が強調されており、近年は抗ウイルス治療の併用が推奨される。慢性肝障害や肝細胞癌のリスクにも留意が必要。